第107回医師国家試験 G15(2013年)
正答:a
問題
妊娠高血圧症候群のために帝王切開を受けた女性。
分娩後3か月の時点で、異常所見と考えられるのはどれか。
a.尿蛋白3+である。
b.乳房に緊満がある。
c.月経が発来していない。
d.血圧が136/84 mmHgである。
e.妊娠前の体重に復していない。
正答の理由
現行(2018年)の日本妊娠高血圧学会の定義では、妊娠高血圧腎症・妊娠高血圧は、妊娠20週以降に発症し分娩12週までに正常に復するものとされています。分娩後3か月(約13週)でも尿蛋白3+が続くのは妊娠高血圧症候群の経過として異常で、基礎にある腎疾患などを考えて精査が必要です。授乳による乳房の張り、月経の未発来、体重がまだ戻らないことは、この時期にみられうる生理的な経過です。
各選択肢の検討
a.正しい。分娩12週を過ぎても高度の蛋白尿が持続するのは異常で、腎疾患の合併などを疑います。
b.誤り。授乳中は乳汁の産生・貯留により乳房が張ることがあり、異常所見ではありません。
c.誤り。授乳中の女性は排卵・月経の再開が遅れ、通常は産後6か月ごろとされるため、3か月で未発来でも異常ではありません。
d.誤り。妊娠高血圧症候群の高血圧の基準は収縮期140mmHg以上または拡張期90mmHg以上で、136/84mmHgは高血圧の基準を満たしません。
e.誤り。妊娠前の体重への回復には通常6〜12か月かかるとされ、3か月で戻っていないのは異常ではありません。
覚えるポイント
妊娠高血圧症候群の高血圧・蛋白尿は分娩12週までに正常化するはず。それ以降も続けば基礎疾患を疑う。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第107回医師国家試験問題および正答
- 日本妊娠高血圧学会「妊娠高血圧症候群新定義・臨床分類」(第70回日本産科婦人科学会学術講演会、2018年5月13日)
- MSD Manual Professional Edition: Postpartum Care
- MSD Manual Consumer Version: Overview of Postpartum Care
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。