第107回医師国家試験 G8(2013年)
正答:b
問題
海外で未知の感染症が発生し、人から人への感染が疑われる症例が初めて報告された。この感染症は発熱を主な症状とし、致命率が高いとの情報がある。
症例報告があった地域から帰国し、自宅に帰った者に対し健康監視を行う場合の機関はどれか。
a.検疫所
b.保健所
c.入国管理局
d.市町村保健センター
e.第一種感染症指定医療機関
正答の理由
人から人に伝染し、既知の感染症と病状が明らかに異なり重篤な疾病は新感染症に当たりえます(感染症法6条9項)。このような感染症で停留されない入国者について、検疫所長は居所・連絡先等の報告を求めて居所の都道府県知事(保健所設置市・特別区では市長・区長)に通知し(検疫法18条4・5項、34条の2)、通知を受けた都道府県知事が、検疫所長の定めた期間内に体温その他の健康状態の報告を求めます(感染症法15条の3)。実際に帰国者の健康監視を担うのは、都道府県等の保健所です。
各選択肢の検討
a.誤り。検疫所は入国時の検疫を行い、居所等の情報を都道府県知事に通知する役割で、帰宅後の健康監視は通知を受けた都道府県等が行います。
b.正しい。通知を受けた都道府県知事(保健所設置市等)が健康状態の報告を求める健康監視を行い、その実務を保健所が担います。保健所は感染症その他の疾病の予防に関する事業を行う機関です(地域保健法6条)。
c.誤り。入国管理局(現・出入国在留管理庁)は出入国の審査を担う機関で、検疫法・感染症法上の健康監視の主体ではありません。
d.誤り。市町村保健センターは住民への健康相談・保健指導・健康診査などを行う施設で(地域保健法18条)、感染症法上の健康監視の主体ではありません。
e.誤り。第一種感染症指定医療機関は一類感染症等の患者の入院を担当する病院で(感染症法6条14項)、自宅に帰った者の健康監視は行いません。
覚えるポイント
検疫所が帰国者の居所を都道府県知事へ通知し、帰宅後の健康監視は保健所が行う。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第107回医師国家試験問題および正答
- 検疫法(昭和26年法律第201号)
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号)
- 地域保健法(昭和22年法律第101号)
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。