第107回医師国家試験 F12(2013年)
正答:e
問題
無尿をきたすのはどれか。
a.大腸癌
b.膀胱癌
c.子宮筋腫
d.前立腺肥大症
e.両側尿管結石
正答の理由
無尿は腎で尿が作られない、または膀胱に尿が届かない状態です。両側の尿管が結石で閉塞すると、両腎からの尿の流出が途絶えて腎後性の急性腎障害となり無尿をきたします。膀胱に尿がたまっているのに排出できない尿閉とは区別します。
各選択肢の検討
a.誤り。大腸癌が骨盤内で尿路を圧迫・浸潤することはありますが、通常は片側の水腎症にとどまり、無尿を典型的にきたす疾患ではありません。
b.誤り。膀胱癌の主症状は無症候性肉眼的血尿です。尿管口に及ぶと水腎症を起こしえますが、無尿の典型的原因ではありません。
c.誤り。子宮筋腫は膀胱圧迫による頻尿などを起こすことはありますが、両側尿管を完全に閉塞して無尿をきたすことは通常ありません。
d.誤り。前立腺肥大症は膀胱出口部閉塞による排尿困難や尿閉の原因です。尿は作られて膀胱にたまっているので、無尿ではなく尿閉です。放置された閉塞が長引くと閉塞性尿路疾患として腎機能障害に至ることはありますが、典型像は尿閉です。
e.正しい。両側尿管の閉塞で両腎の尿が膀胱に届かなくなり、腎後性の無尿となります。
覚えるポイント
無尿(尿が膀胱に来ない)と尿閉(膀胱にたまった尿を出せない)を区別。両側尿管閉塞は腎後性無尿、前立腺肥大症は尿閉。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第107回医師国家試験問題および正答
- MSD Manual Professional Edition: Obstructive Uropathy
- MSD Manual Professional Edition: Acute Kidney Injury (AKI)
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。