第107回医師国家試験 E36(2013年)
正答:c・d・e
問題
母乳より牛乳に多く含まれるのはどれか。3 つ選べ。
a.鉄
b.乳糖
c.カゼイン
d.カルシウム
e.ビタミン K
正答の理由
日本食品標準成分表(八訂)増補2023年では可食部100 gあたり、人乳はたんぱく質1.1 g・炭水化物7.2 g・カルシウム27 mg・ビタミンK 1 µg、普通牛乳はたんぱく質3.3 g・炭水化物4.8 g・カルシウム110 mg・ビタミンK 2 µgです。牛乳はたんぱく質が約3倍で、その約8割がカゼイン(母乳はカゼイン:乳清たんぱく質が約4:6の乳清優位)なので、カゼイン・カルシウム・ビタミンKは牛乳に多く含まれます。一方、母乳の主な糖である乳糖は母乳に多く、鉄は両者ともごく微量で牛乳に多いとはいえません。
各選択肢の検討
a.誤り。鉄は成分表の表示値が人乳・普通牛乳とも100 gあたり0 mgのごく微量で、牛乳が母乳より多いとはいえません。
b.誤り。乳の主な糖は乳糖で、炭水化物は人乳7.2 g、普通牛乳4.8 g(100 gあたり)と母乳の方が多く含みます。
c.正しい。牛乳のたんぱく質(3.3 g/100 g)は人乳(1.1 g)の約3倍で、カゼイン:乳清たんぱく質比は牛乳約8:2、母乳約4:6なので、カゼインは牛乳に多く含まれます。
d.正しい。カルシウムは普通牛乳110 mg、人乳27 mg(100 gあたり)で、牛乳が約4倍多く含みます。
e.正しい。ビタミンKは普通牛乳2 µg、人乳1 µg(100 gあたり)で牛乳の方が多く、母乳のビタミンKは非常に少ないため新生児にはビタミンKの予防投与が行われます。
覚えるポイント
牛乳は母乳に比べ、たんぱく質(特にカゼイン)・カルシウム・ビタミンKが多く、乳糖は少ない。母乳は乳清たんぱく質優位で乳糖が多い。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第107回医師国家試験問題および正答
- 文部科学省 食品成分データベース:人乳(食品番号13051)日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
- 文部科学省 食品成分データベース:普通牛乳(食品番号13003)日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
- 和田泰明. 乳たんぱく質の消化性とその消化によって生成される生理活性ペプチドに関する研究(北海道大学 博士論文)
- Ballard O, Morrow AL. Human Milk Composition: Nutrients and Bioactive Factors. Pediatr Clin North Am. 2013
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。