妊娠による母体の生理的変化|第107回医師国家試験E13

第107回医師国家試験 E13(2013年)

正答:a

問題

妊娠によって母体で低下するのはどれか。

a.腟内pH

b.循環血液量

c.腎糸球体濾過値

d.インスリン分泌量

e.血漿フィブリノゲン

正答の理由

妊娠中はエストロゲン上昇により腟上皮にグリコーゲンが蓄積し、乳酸桿菌(Lactobacillus)がこれを乳酸に変えるため、腟内は酸性に傾き(pH低下)ます。循環血液量・糸球体濾過量・インスリン需要と分泌・フィブリノゲンはいずれも増加します。

各選択肢の検討

a.腟内pH。正しい。妊娠中は高エストロゲンで腟上皮にグリコーゲンが沈着し、乳酸桿菌優位となって乳酸産生が増えるため、腟内pHは低下します。

b.循環血液量。誤り。循環血液量は増加し、血漿量は約50%(約1,600 mL)、赤血球量は約25%増えます。このため希釈性貧血を生じます。

c.腎糸球体濾過値。誤り。糸球体濾過量は30〜50%増加し、妊娠16〜24週にピークとなります。血清クレアチニンは低下します。

d.インスリン分泌量。誤り。妊娠初期から膵β細胞が過形成となってインスリン分泌が増え、中期以降は胎盤ホルモンなどによるインスリン抵抗性に応じてインスリン需要と分泌がさらに増加します。分泌が追いつかないと妊娠糖尿病になります。

e.血漿フィブリノゲン。誤り。フィブリノゲンは最大50%程度増加し、凝固因子増加・線溶低下とあわせて妊娠は過凝固状態になります。

覚えるポイント

妊娠で増えるもの:循環血液量・GFR・インスリン分泌・フィブリノゲン。腟内は乳酸桿菌優位で酸性化(pH低下)。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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