第107回医師国家試験 E2(2013年)
正答:a
問題
次世代育成支援対策推進法に規定されているのはどれか。
a.育児休業
b.学童保育
c.産前休業
d.安全衛生教育
e.労働災害防止計画
正答の理由
次世代育成支援対策推進法は、子どもが健やかに生まれ育つ環境整備のため、国・地方公共団体・事業主の責務と行動計画の策定を定める法律です。事業主(一般事業主)の行動計画は、育児休業の取得促進などの「仕事と家庭の両立のための雇用環境の整備」を中心とし、計画を達成した事業主の認定(くるみん)の基準にも男性の育児休業取得が含まれます。現行の条文では第5条(事業主の責務)に「育児休業を取得しやすい職場環境の形成」が明記されています。育児休業の制度そのものは育児・介護休業法が定めますが、本法の事業主行動計画の中心テーマとして公式正答はaです。なお、2013年当時の法律本文(2003年制定時・2008年改正)には「育児休業」の語はなく、育児休業は行動計画策定指針と省令(認定基準)を通じて位置づけられていました。
各選択肢の検討
a.育児休業。正しい。本法の一般事業主行動計画は、育児休業を取得しやすい環境の整備など仕事と家庭の両立支援を中心とし、認定(くるみん)の基準にも男性労働者の育児休業等取得が含まれます(施行規則第4条)。現行法では第5条に「育児休業を取得しやすい職場環境の形成」、第12条に育児休業等の取得状況の把握と数値目標が規定されています(これらの文言は出題後の改正で追加されたもので、2013年当時は指針・省令レベルの規定でした)。
b.学童保育。誤り(公式正答ではない)。学童保育は児童福祉法の放課後児童健全育成事業(保護者が昼間家庭にいない小学生に放課後の遊びと生活の場を与える事業)として規定されている事業です。ただし2013年当時の次世代法第7条第2項第3号(2008年改正で追加)は、市町村行動計画の参酌標準として放課後児童健全育成事業に言及しており、法文上の言及が全くなかったわけではありません。公式正答はaのみです。
c.産前休業。誤り。産前休業(6週間以内に出産予定の女性が請求した場合の休業)は労働基準法第65条の規定です。
d.安全衛生教育。誤り。雇入れ時などの安全衛生教育は労働安全衛生法第59条で事業者に義務付けられています。
e.労働災害防止計画。誤り。労働災害防止計画は労働安全衛生法第6条に基づき厚生労働大臣が策定する計画です。
覚えるポイント
次世代育成支援対策推進法=行動計画(事業主の育児休業取得しやすい環境整備)。産前休業は労働基準法、学童保育は児童福祉法、安全衛生教育・労働災害防止計画は労働安全衛生法。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第107回医師国家試験問題および正答
- 次世代育成支援対策推進法(e-Gov法令API本文)
- 児童福祉法(e-Gov法令API本文)
- 労働基準法(e-Gov法令API本文)
- 労働安全衛生法(e-Gov法令API本文)
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。