我が国の医療と福祉の現状(2013年当時)|第107回医師国家試験E1

第107回医師国家試験 E1(2013年)

正答:d

問題

我が国の医療と福祉の現状について正しいのはどれか。

a.生活保護世帯数は最近5年間減少傾向にある。

b.後期高齢者医療制度は被用者保険の一部である。

c.高額療養費制度で自己負担限度額は月額30万円である。

d.最近5年間の国民医療費の対GDP比はアメリカより低い。

e.国民健康保険では保険料の未納世帯は医療保険を利用できない。

正答の理由

出題当時の公的統計では、日本の保健医療支出の対GDP比は2010年で9.6%とOECD平均程度で、2011年に17.7%のアメリカより明らかに低い水準でした。生活保護世帯は増加を続け、後期高齢者医療制度は独立した制度、高額療養費の上限は年齢・所得で異なり、保険料滞納世帯でも給付の方法が変わるだけで医療は受けられます。

各選択肢の検討

a.生活保護世帯数は最近5年間減少傾向にある。誤り。被保護世帯数(1か月平均)は平成20年度1,148,766世帯から平成24年度1,558,510世帯(過去最高)へ毎年増加しており、減少傾向ではありません。

b.後期高齢者医療制度は被用者保険の一部である。誤り。後期高齢者医療は都道府県ごとに全市町村が加入する後期高齢者医療広域連合が運営し、75歳以上などを被保険者とする独立した制度で、健康保険などの被用者保険には含まれません。

c.高額療養費制度で自己負担限度額は月額30万円である。誤り。高額療養費の自己負担上限額は年齢と所得区分に応じて定められ、例えば70歳未満・年収約370万〜約510万円の人が医療費100万円の治療を受けた場合の自己負担は約9.3万円にとどまります(厚生労働省の現行ページの例示)。一律に月額30万円という制度ではありません。

d.最近5年間の国民医療費の対GDP比はアメリカより低い。正しい。OECDのデータでは日本の保健医療支出は2010年にGDPの9.6%で、アメリカは2011年に17.7%と加盟国で突出して高く、日本はアメリカより低い水準です。なお統計範囲はOECD基準の保健医療支出で、国内統計の「国民医療費」とは範囲が異なります。

e.国民健康保険では保険料の未納世帯は医療保険を利用できない。誤り。保険料を滞納している世帯でも保険医療は受けられ、窓口でいったん費用の全額を支払い、後から特別療養費として保険給付分の支給を受ける仕組みです(国民健康保険法第54条の3)。2013年当時は被保険者証に代えて被保険者資格証明書が交付される運用でしたが、医療を受けられなくなるわけではない点は当時も現在も同じです。

覚えるポイント

2013年当時、日本の医療費の対GDP比はOECD平均程度で、アメリカ(約18%)より低い。生活保護世帯は増加していた。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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