採血手技|第107回医師国家試験C10

第107回医師国家試験 C10(2013年)

正答:a

問題

採血手技について正しいのはどれか。

a.血管の穿刺は消毒用アルコールが乾いてから行う。

b.生化学検査の検体を採取するときは手袋は不要である。

c.血液培養の検体を採取するときは鼠径部を第一選択とする。

d.動脈血ガス分析の検体を採取後は穿刺部を 10 秒間圧迫する。

e.血液の流出が少ないときは強い陰圧をかけて検体を採取する。

正答の理由

WHOの採血ガイドラインでは、穿刺部位を70%アルコールで30秒消毒し、完全に乾燥させて(約30秒)から穿刺します。乾く前に穿刺すると消毒の接触時間が足りず汚染の危険が増え、溶血の原因にもなります。採血時は手指衛生と手袋着用が必須です。

各選択肢の検討

a.血管の穿刺は消毒用アルコールが乾いてから行う。正しい。アルコールは乾燥するまでの接触時間で殺菌効果を発揮するため、完全に乾いてから穿刺します。

b.生化学検査の検体を採取するときは手袋は不要である。誤り。検査項目にかかわらず、採血者は手指衛生を行いフィットした非滅菌手袋を着用します(血液曝露防止の標準予防策)。

c.血液培養の検体を採取するときは鼠径部を第一選択とする。誤り。静脈採血は通常、肘窩や前腕の静脈を選びます。救急外来での前向き観察研究では、大腿部から採取した血液培養は静脈からの採取より汚染(偽陽性)が有意に多いと報告されており、鼠径部を第一選択にはしません。

d.動脈血ガス分析の検体を採取後は穿刺部を 10 秒間圧迫する。誤り。動脈穿刺後はしっかり圧迫し、2〜3分後に止血を確認します。高血圧・出血傾向・抗凝固薬使用例では5分以上必要で、10秒では血腫を生じます。

e.血液の流出が少ないときは強い陰圧をかけて検体を採取する。誤り。大きな陰圧は静脈を虚脱させ、溶血の原因にもなります。小容量・低陰圧の採血管や1〜5 mL程度の注射器を用います。

覚えるポイント

採血はアルコールが乾いてから穿刺・手袋着用・強い陰圧は避ける。動脈穿刺後は数分間(2〜5分以上)圧迫する。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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