第107回医師国家試験 C7(2013年)
正答:c
問題
腹水の身体診察所見はどれか。
a.圧痛
b.拍動
c.波動
d.反跳痛
e.筋性防御
正答の理由
腹水の身体所見は、打診での濁音界の移動(shifting dullness)と、側腹部を叩いた衝撃が対側に伝わる波動(fluid wave)です。少量(1,500 mL未満)では所見が出にくく、超音波で確認します。圧痛・反跳痛・筋性防御は腹膜刺激、拍動は大動脈瘤などの所見です。
各選択肢の検討
a.圧痛。誤り。腹水そのものでは痛みは少なく、圧痛があれば特発性細菌性腹膜炎など他の病態の合併を考えます。
b.拍動。誤り。拍動性腫瘤は腹部大動脈瘤の所見で、腹水の所見ではありません。
c.波動。正しい。腹腔内に貯留した液体を介して打診の衝撃が対側へ伝わる波動は、濁音界の移動とともに腹水の身体所見です。
d.反跳痛。誤り。圧迫を急に解除したときの痛みで、腹膜炎などの腹膜刺激徴候です。
e.筋性防御。誤り。腹壁筋の不随意な収縮で、腹膜刺激徴候です。
覚えるポイント
腹水=濁音界の移動と波動。反跳痛・筋性防御は腹膜刺激徴候、拍動性腫瘤は大動脈瘤。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第107回医師国家試験問題および正答
- MSD Manual Professional Edition: Ascites
- MSD Manual Professional Edition: Evaluation of the Gastrointestinal Patient
- MSD Manual Professional Edition: Abdominal Aortic Aneurysms (AAA)
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。