第107回医師国家試験 C6(2013年)
正答:d
問題
下肢浮腫をきたしにくいのはどれか。
a.妊娠
b.低栄養
c.腎不全
d.本態性高血圧症
e.下肢静脈血栓症
正答の理由
浮腫は毛細血管静水圧の上昇(静脈還流障害・体液貯留)、血漿膠質浸透圧の低下(低アルブミン血症)、血管透過性亢進、リンパ還流障害で起こります。妊娠・低栄養・腎不全・深部静脈血栓症はいずれかの機序をもちますが、本態性高血圧症そのものは浮腫の原因になりません(降圧薬のCa拮抗薬による浮腫とは区別します)。
各選択肢の検討
a.妊娠。誤り。妊娠では体液量増加と増大した子宮による骨盤静脈の圧迫で、左右対称の下腿浮腫がよくみられます。
b.低栄養。誤り。低栄養ではアルブミン合成が低下し、血漿膠質浸透圧低下による浮腫をきたします。
c.腎不全。誤り。腎不全ではナトリウム・水の排泄が低下して体液過剰となり、下腿浮腫の原因になります。
d.本態性高血圧症。正しい(きたしにくい)。本態性高血圧症自体は浮腫の原因ではありません。高血圧患者に浮腫があれば、心不全・腎障害の合併やCa拮抗薬などの薬剤性を考えます。
e.下肢静脈血栓症。誤り。深部静脈血栓症は静脈還流を障害して静水圧を上げ、片側性の下肢浮腫・疼痛をきたす代表的疾患です。
覚えるポイント
浮腫の機序は「静水圧↑・膠質浸透圧↓・透過性↑・リンパ還流障害」。高血圧自体は原因でなく、Ca拮抗薬の浮腫に注意。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。