第107回医師国家試験 C4(2013年)
正答:b
問題
純音聴力検査(気導検査)の結果(別冊No. 1 ①〜⑤)を別に示す。
老人性難聴に特徴的なのはどれか。
a.①
b.②
c.③
d.④
e.⑤

正答の理由
老人性難聴(presbycusis)は加齢による有毛細胞・神経細胞の減少による両側性・進行性の感音難聴で、高い周波数ほど強く障害されます。したがって低〜中音域は比較的保たれ、高音域に向かって閾値が悪化する②が典型です。子音の聞き取りが悪くなり「声は聞こえるが言葉がわからない」と訴えるのもこのためです。
画像の見方
②は125〜4000 Hzで約30 dB前後、4000 Hzを超えると急に低下し8000 Hzで約80 dBに達する高音障害型です。①は水平型、③は低音障害型、④は4000 Hz付近を底とする谷型、⑤は中音域が最も良い山型です。気導検査のみが示されているため、伝音・感音の区別は図からはできません。
各選択肢の検討
a.①。誤り。全周波数で同程度に低下した水平型で、高音域ほど悪いという老人性難聴の特徴を示しません。
b.②。正しい。低〜中音域は保たれ、4000 Hzを超える高音域で急に悪化する高音障害型で、老人性難聴に特徴的です。
c.③。誤り。低音域ほど悪く高音域で改善する低音障害型で、高音域から障害される老人性難聴とは逆の型です。
d.④。誤り。4000 Hz前後が最も悪く8000 Hzで改善する谷型です。老人性難聴では最も高い周波数で最も悪化するのが通常で、8000 Hzで回復する形は合いません(騒音性難聴の4 kHz付近の低下も8 kHzで回復する点で区別されます)。
e.⑤。誤り。中音域が最も良く低音・高音の両端が悪い山型で、高音漸傾・高音急墜を示す老人性難聴の形ではありません。
覚えるポイント
老人性難聴=両側性・進行性の感音難聴で高音域ほど悪い(右下がり)。騒音性難聴は4 kHz付近の低下(c5 dip)で8 kHzは回復。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。