第107回医師国家試験 B30(2013年)
正答:d
問題
呼吸リハビリテーションの適応とならないのはどれか。
a.神経筋疾患
b.気管支拡張症
c.肺結核後遺症
d.非代償性うっ血性心不全
e.慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉
正答の理由
3学会合同の呼吸リハビリテーションに関するステートメント(2018)では、①症状のある呼吸器・呼吸器関連疾患、②機能制限がある、③標準的治療が行われている、④実施を妨げる因子や不安定な合併症・併存症がない患者を選択基準としています。非代償性うっ血性心不全は不安定な循環器疾患で、運動療法の負荷がかけられないため、まず心不全の治療が優先されます。
各選択肢の検討
a.神経筋疾患。適応となる。ステートメントでも呼吸リハの対象疾患として挙げられ、呼吸筋力低下による排痰障害や換気不全に対して呼吸練習・排痰法を行います。
b.気管支拡張症。適応となる。慢性的な気道分泌物の貯留があり、排痰法や運動療法の対象疾患として挙げられています。
c.肺結核後遺症。適応となる。胸郭変形や拘束性換気障害による呼吸困難・運動耐容能低下があり、ステートメントでも対象疾患とされています。
d.非代償性うっ血性心不全。適応とならない(正答)。不安定な併存症は選択基準から外れ、左心機能障害などは運動負荷の禁忌・制限要因となります。
e.慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉。適応となる。最も代表的な対象で、安定期にも増悪後にも行うことで呼吸困難や再入院が減ります。
覚えるポイント
呼吸リハは症状のある慢性呼吸器・呼吸器関連疾患(COPD・気管支拡張症・肺結核後遺症・神経筋疾患など)が対象、不安定な心疾患は除外。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第107回医師国家試験問題および正答
- 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会ほか: 呼吸リハビリテーションに関するステートメント(2018)
- MSD Manual Professional Edition: Pulmonary Rehabilitation
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。