第107回医師国家試験 B6(2013年)
正答:b
問題
ヘルスプロモーションで重要な活動はどれか。
a.救急医療機関への搬送体制の整備
b.行動変容による生活習慣の改善
c.検診による疾病の早期発見
d.予防接種による免疫の付与
e.医療保険制度の導入
正答の理由
WHOのオタワ憲章(1986年)はヘルスプロモーションを「人々が自らの健康をコントロールし、改善できるようにするプロセス」と定義し、そのためには情報へのアクセス、ライフスキル、健康的な選択をする機会が必要だとしています。人々が自ら行動を変えて生活習慣を改善することが最も合致します。
各選択肢の検討
a.救急医療機関への搬送体制の整備。誤り。発症後の救命医療体制の整備で、健康を自ら高めるヘルスプロモーションの活動ではありません。
b.行動変容による生活習慣の改善。正しい。人々が自らの健康を管理・改善する能力を高めることはヘルスプロモーションの中心です。
c.検診による疾病の早期発見。誤り。健診による「早期発見・早期治療」は二次予防に当たり、積極的に健康度を高めるヘルスプロモーション(健康増進)とは区別されます。
d.予防接種による免疫の付与。誤り。ワクチン接種は医薬品を用いて特定の感染症の発症を防ぐ一次予防(特異的予防)で、人々が自ら健康をコントロールし高めるヘルスプロモーションの代表的活動ではありません。
e.医療保険制度の導入。誤り。医療費保障の制度整備で、医療へのアクセスを支えるものの、人々が自ら健康を高めるプロセスそのものではありません。
覚えるポイント
ヘルスプロモーション(オタワ憲章)=人々が自らの健康をコントロールし改善できるようにするプロセス。健診は二次予防、予防接種は特異的予防。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第107回医師国家試験問題および正答
- WHO: The 1st International Conference on Health Promotion, Ottawa, 1986 (The Ottawa Charter for Health Promotion)
- 川村孝:社会と健康を科学するパブリックヘルス「予防医療」日本公衆衛生雑誌 58(11):985, 2011
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。