第107回医師国家試験 A23(2013年)
正答:e
問題
78歳の男性。「誰もいないのに知らない人が部屋に見える」と訴え、来院した。妻によると、数年前から日中は眠そうでぼう然としていることがしばしばあり、徐々に物忘れが目立ってきたという。動作は緩慢で、小刻みに歩く。
この疾患でみられるのはどれか。
a.常同行動
b.滞続言語
c.言語蹉跌
d.全生活史健忘
e.レム〈REM〉睡眠行動障害
正答の理由
具体的で繰り返す幻視、日中の眠気・ぼう然とした状態(認知・覚醒の変動)、進行性の物忘れ、動作緩慢と小刻み歩行(パーキンソニズム)から、Lewy小体型認知症が考えられます。DLB Consortium第4版の診断基準では、REM睡眠行動障害は変動・幻視・パーキンソニズムと並ぶ中核的臨床特徴です。
各選択肢の検討
a.誤り。常同行動(同じ行動を繰り返す)は前頭側頭型認知症の特徴で、Lewy小体型認知症の代表所見ではありません。
b.誤り。滞続言語(同じ語句を状況に関係なく繰り返す)は前頭側頭型認知症(Pick病)でみられる言語症状です。
c.誤り。言語蹉跌(音節がもつれたり脱落したりする構音の障害)は神経梅毒による進行麻痺の古典的症候です。
d.誤り。全生活史健忘は自分の生活史全体を想起できない解離性健忘で、変性性認知症の症候ではありません。
e.正しい。夢の内容に合わせて寝言や体動が出るREM睡眠行動障害は、Lewy小体型認知症の中核的特徴です。
覚えるポイント
幻視・認知の変動・パーキンソニズム・REM睡眠行動障害がLewy小体型認知症の4つの中核的特徴。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第107回医師国家試験問題および正答
- Diagnosis and management of dementia with Lewy bodies: Fourth consensus report of the DLB Consortium
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。