我が国の不妊症の現状|第107回医師国家試験A10

第107回医師国家試験 A10(2013年)

正答:e

問題

我が国の不妊症の現状について正しいのはどれか。

a.出生 500 人に約 1 人が体外受精児である。

b.女性不妊の頻度は男性不妊の約 5 倍である。

c.40 歳代女性の不妊症の頻度は約 10 % である。

d.同年齢層では体外受精の流産率は自然妊娠よりも高い。

e.女性の加齢とともに体外受精による妊娠率は低下する。

正答の理由

体外受精の成績は女性の年齢に強く依存し、30歳代半ば以降に生産分娩率が低下し、流産率は上昇します。厚生労働省の検討会報告書(2013年)では、1回の治療で出産に至る確率は32歳頃まで約5回に1回、39歳で10回に1回、43歳で50回に1回とされています。

各選択肢の検討

a.出生 500 人に約 1 人が体外受精児である。誤り。体外受精・顕微授精による出生児は平成22年で全出生数の約3%(約30人に1人)を占めていました。

b.女性不妊の頻度は男性不妊の約 5 倍である。誤り。精子の異常は不妊原因の約24〜35%を占め、男性因子は女性因子の5分の1といった小さい割合ではありません。

c.40 歳代女性の不妊症の頻度は約 10 % である。誤り。厚生労働省検討会報告書は加齢とともに妊娠・出産に至る可能性が低下し、43歳では体外受精1回で出産に至るのが50回に1回程度と示しています。40歳代の不妊が約10%にとどまるとは考えにくい記述です(40歳代の不妊頻度そのものの公的統計値は本解説では示していません)。

d.同年齢層では体外受精の流産率は自然妊娠よりも高い。誤り。流産率を主に規定するのは母体年齢で、体外受精の流産率(40歳で3回に1回以上)は同年代の自然妊娠の流産率(40歳以上で約41%)と大差ありません。

e.女性の加齢とともに体外受精による妊娠率は低下する。正しい。卵子の質と数の低下により、年齢とともに体外受精の妊娠率・生産分娩率は低下します。

覚えるポイント

体外受精の成績は女性の年齢で決まり、加齢で妊娠率は下がり流産率は上がる。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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