第107回医師国家試験 A9(2013年)
正答:a
問題
イマチニブ〈イマチニブメシル酸塩〉が有効なのはどれか。
a.慢性骨髄性白血病
b.慢性好中球性白血病
c.真性赤血球増加症
d.原発性骨髄線維症
e.本態性血小板血症
正答の理由
慢性骨髄性白血病はt(9;22)によるPhiladelphia染色体とBCR-ABL融合遺伝子を持ち、恒常的に活性化したBCR-ABLチロシンキナーゼが病態の中心です。イマチニブはこのキナーゼを阻害する分子標的薬です。
各選択肢の検討
a.慢性骨髄性白血病。正しい。BCR-ABLチロシンキナーゼ阻害薬イマチニブは慢性期CMLの第一選択薬の一つです。
b.慢性好中球性白血病。誤り。BCR-ABL陰性の骨髄増殖性腫瘍で、CSF3R(G-CSF受容体)の活性化変異が高頻度にみられ、イマチニブの標的であるBCR-ABLをもちません。
c.真性赤血球増加症。誤り。JAK2変異が病態の中心で、BCR-ABLを標的とするイマチニブは有効ではありません。
d.原発性骨髄線維症。誤り。JAK2・CALR・MPL変異によるPhiladelphia染色体陰性の骨髄増殖性腫瘍です。
e.本態性血小板血症。誤り。JAK2などの変異によるPhiladelphia染色体陰性腫瘍で、イマチニブの適応ではありません。
覚えるポイント
イマチニブ=BCR-ABL阻害薬。Ph陽性のCML(とPh陽性ALL)に効く。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第107回医師国家試験問題および正答
- MSD Manual Professional Edition: Chronic Myeloid Leukemia (CML)
- MSD Manual Professional Edition: Overview of Myeloproliferative Neoplasms
- Maxson JE, et al. Oncogenic CSF3R mutations in chronic neutrophilic leukemia and atypical CML. N Engl J Med 2013(Europe PMC抄録)
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。