第106回医師国家試験 I68(2012年)
正答:a
問題
23歳の男性。吐血を主訴に来院した。昨夜、会社の歓迎会で日本酒を5合以上飲んだが、正確な飲酒量は記憶していない。本日、起床直後から胃液を嘔吐し、数回目の嘔吐内容が新鮮血であったため驚いて受診した。
身体診察所見に異常を認めない。来院後にも少量の新鮮血を嘔吐したため、緊急上部消化管内視鏡検査を行った。食道の内視鏡写真(別冊No.17)を別に示す。
治療として適切なのはどれか。
a.クリッピング
b.硬化療法
c.粘膜切除術
d.ステント留置
e.Hassab手術

正答の理由
反復する嘔吐後の食道胃接合部裂創からの出血で、Mallory-Weiss症候群に対する内視鏡的止血が必要である。クリップで裂創部を閉鎖し止血する。
画像の見方
食道胃接合部近傍に縦走する粘膜裂創を認め、嘔吐後のMallory-Weiss裂創に合致する。
各選択肢の検討
a.クリッピング。正しい。出血性Mallory-Weiss裂創に対する内視鏡的機械止血法である。
b.硬化療法。食道静脈瘤出血の治療法であり、裂創の止血には通常選ばない。
c.粘膜切除術。腫瘍性粘膜病変の切除法で、急性裂創の止血法ではない。
d.ステント留置。消化管狭窄や穿孔の一部で用いるが、粘膜裂創の止血には適さない。
e.Hassab手術。門脈圧亢進症・胃食道静脈瘤に対する手術であり、本病変の治療ではない。
覚えるポイント
嘔吐後の吐血ではMallory-Weiss裂創を考え、出血が持続すればクリップなどで内視鏡的止血を行う。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第106回医師国家試験問題および正答
- The role of endoscopy in the management of acute non-variceal upper GI bleeding
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。