第106回医師国家試験 I57(2012年)
正答:d
問題
30歳の男性。2週前から続く発熱と両眼の霧視とを主訴に来院した。意識は清明。身長170 cm、体重54 kg。体温37.2 °C。脈拍84/分、整。血圧144/72 mmHg。呼吸数16/分。咽頭に異常を認めない。両側の頸部と左腋窩とに無痛性のリンパ節腫脹を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。細隙灯顕微鏡検査で両眼に虹彩炎を認める。眼底検査で両眼に真珠の首飾り状の硝子体混濁を認める。胸部エックス線写真(別冊No. 13)を別に示す。
診断に有用な血液検査項目はどれか。
a.ALT
b.ALP
c.AFP
d.ACE
e.ACTH

正答の理由
両眼ぶどう膜炎と真珠の首飾り状硝子体混濁に、胸部画像の両側肺門リンパ節腫脹を伴うためサルコイドーシスが考えられます。血清ACEはその補助診断に用います。
画像の見方
別冊No.13(物理p.18)の胸部写真を目視。両側肺門部にリンパ節腫脹を示唆する陰影を認める。
各選択肢の検討
a.ALT。ALTは肝細胞障害の指標ですが、本例の両側ぶどう膜炎と胸部画像所見を結びつける検査ではありません。
b.ALP。ALPは胆汁うっ滞や骨代謝などの評価に用いられますが、本例の診断に特異的ではありません。
c.AFP。AFPは肝細胞癌や胚細胞腫瘍などで上昇する腫瘍マーカーで、本例の眼・胸部所見から考える疾患の検査ではありません。
d.ACE。正しい。両側ぶどう膜炎、硝子体の真珠の首飾り状混濁、胸部画像の両側肺門リンパ節腫脹はサルコイドーシスを示唆します。血清ACEはサルコイドーシスの補助診断に用います。
e.ACTH。ACTHは副腎皮質機能評価に使うホルモンで、サルコイドーシスの補助診断項目ではありません。
覚えるポイント
眼サルコイドーシスを疑うぶどう膜炎では、胸部画像と血清ACEなどを含めて全身評価する。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第106回医師国家試験問題および正答
- Ocular sarcoidosis in adults and children: update on clinical manifestation and diagnosis
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。