体部白癬・股部白癬の迅速診断|第106回医師国家試験I53

第106回医師国家試験 I53(2012年)

正答:e

問題

45歳の男性。皮疹を主訴に来院した。6か月前に右鼠径部の皮疹に気付いた。中心部が治癒しながら周辺に拡大し、痒みを伴うという。右鼠径部の写真(別冊No. 11)を別に示す。

治療を開始するための迅速な検査法として最も有用なのはどれか。

a.培養法

b.PCR法

c.皮膚生検

d.トリコフィチン反応

e.苛性カリ〈KOH〉直接鏡検法

別冊No.11の右鼠径部写真。中心部が軽快し、周辺へ広がる環状の紅斑を認める。
別冊No.11 / 出典:厚生労働省・第106回I別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

中心が軽快しながら辺縁へ拡大する環状の鼠径部皮疹は皮膚糸状菌感染を示唆します。病変辺縁の鱗屑をKOHで直接鏡検する方法が最も迅速です。

画像の見方

別冊No.11(物理p.16)の皮膚写真を目視。鼠径部に中心治癒傾向と周辺の環状紅斑がある。

各選択肢の検討

a.培養法。培養は原因菌の同定に有用ですが、結果まで時間がかかり、治療開始前の迅速検査ではありません。

b.PCR法。皮膚糸状菌のPCRは施設によって利用できますが、外来で直ちに治療方針を決める簡便な標準検査ではありません。

c.皮膚生検。皮膚生検は非典型例などで病理診断を要するときに検討しますが、典型的な環状病変の迅速検査ではありません。

d.トリコフィチン反応。トリコフィチン反応は現在の皮膚糸状菌感染を迅速に診断する検査ではありません。

e.苛性カリ〈KOH〉直接鏡検法。正しい。活動性の辺縁から鱗屑を採り、KOHで角質を溶かして菌糸を直接鏡検すれば、その場で皮膚糸状菌を確認できます。

覚えるポイント

白癬は活動性辺縁の鱗屑を採取してKOH直接鏡検すると迅速に菌糸を確認できる。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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