第106回医師国家試験 I10(2012年)
正答:d
問題
十二指腸を閉塞するのはどれか。
a.薬物性腸炎
b.十二指腸憩室
c.好酸球性胃腸炎
d.上腸間膜動脈症候群
e.十二指腸粘膜下異所性膵
正答の理由
公式正答はd。上腸間膜動脈症候群は十二指腸第3部が大動脈と上腸間膜動脈の間で圧迫される疾患で、閉塞・通過障害が病態の中心である。ただし好酸球性胃腸炎や異所性膵などにも十二指腸閉塞の報告があり、他肢で絶対に閉塞しないという意味ではない。
各選択肢の検討
a.薬物性腸炎。薬剤による腸炎では下痢・腹痛などが問題となり、通常の病態は十二指腸第3部の外からの圧迫ではない。本問で閉塞を疾患の本態とするものはdである。
b.十二指腸憩室。多くは無症状で、通常は十二指腸閉塞を来さない。ただし巨大憩室や炎症等で通過障害を伴う例はあり、閉塞しないと絶対視はしない。
c.好酸球性胃腸炎。消化管壁への好酸球浸潤により、特に筋層病変では狭窄・閉塞を起こし、十二指腸狭窄の症例報告もある。起こりえないから除外するのではなく、本問では十二指腸の圧迫性閉塞を本態とするdが公式正答である。
d.上腸間膜動脈症候群。正しい。上腸間膜動脈症候群では上腸間膜動脈と大動脈の間で十二指腸第3部が圧迫され、通過障害を来します。
e.十二指腸粘膜下異所性膵。多くは偶発的に見つかり無症状だが、腫瘤が大きい場合などには十二指腸閉塞を来した報告もある。公式正答dとの比較で、閉塞を疾患の本態とするものを選ぶ。
覚えるポイント
上腸間膜動脈症候群では十二指腸第3部をSMAと大動脈が挟む。公式正答Dを覚える際にも、好酸球性胃腸炎や異所性膵の閉塞例を否定しない。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第106回医師国家試験問題および正答
- Superior mesenteric artery syndrome: Diagnosis and management
- Duodenal stenosis, an unusual presentation of eosinophilic gastroenteritis: a case report
- Heterotopic Pancreas Presented as Duodenal Tumor with Obstruction
- Diverticular disease of the small bowel: a rare cause of the duodenojejunal flexure obstruction (a case report)
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。