第106回医師国家試験 I3(2012年)
正答:c
問題
児童虐待について正しいのはどれか。
a.虐待者は継母が最も多い。
b.虐待の相談件数は減少傾向にある。
c.虐待の通告は福祉事務所あるいは児童相談所に行う。
d.保護者が虐待者の場合は保護者の面会を制限できない。
e.保護者の要請がある場合は虐待の通告をしてはならない。
正答の理由
虐待の通告は発見者の義務で、通告先には福祉事務所または児童相談所が含まれます。保護者の意向や守秘義務を理由に通告を控えることはできません。
各選択肢の検討
a.虐待者は継母が最も多い。誤り。継母が最多という統計ではない。例えば2020年度の国の集計では実母47.4%、実父41.3%であり、実母・実父が大部分を占める。
b.虐待の相談件数は減少傾向にある。出題当時は誤りで、相談対応件数は長期にわたり増加していた。ただし毎年必ず増えるわけではなく、2024年度は223,691件で前年度から0.8%減少した。
c.虐待の通告は福祉事務所あるいは児童相談所に行う。正しい。児童虐待防止法第6条は、虐待を受けたと思われる児童を発見した者に、市町村・福祉事務所・児童相談所などへの速やかな通告を義務づけています。
d.保護者が虐待者の場合は保護者の面会を制限できない。誤り。保護者が虐待者である場合にも児童の安全確保を優先し、必要に応じて面会や接触を制限できます。
e.保護者の要請がある場合は虐待の通告をしてはならない。誤り。保護者の要請があっても通告義務は免除されず、虐待を疑ったときは通告します。
覚えるポイント
虐待を受けたと思われる児童を発見した者は通告する。保護者の申し出は通告義務を妨げない。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第106回医師国家試験問題および正答
- 児童虐待の防止等に関する法律(厚生労働省 法令等データベース)
- 厚生労働省:政策レポート(児童虐待の現状とこれに対する取組)
- 令和2年度福祉行政報告例の概況 – 厚生労働省
- 令和6年度の児童虐待相談対応件数(2026年1月)- こども家庭庁
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。