第106回医師国家試験 G49(2012年)
正答:b
問題
58歳の男性。会社員。人間ドックで受けたある疾患に対する検査の結果が陽性だったため、その疾患にかかっている可能性を知りたいと会社の医務室に来た。その疾患に関連する異常を疑わせる自覚症状はない。現病歴と既往歴とに特記すべきことはない。人間ドックで実施した他の検査結果はすべて正常範囲内にあった。文献で、この検査が陽性であることの感度は20%、特異度は95%であること、人間ドックを受診する58歳男性がその疾患を潜在的に有する確率は0.1%であることが分かった。
この男性がその疾患を有する確率はどれか。
a.0.02%
b.0.4%
c.5.0%
d.20.0%
e.25.0%
正答の理由
陽性後の確率(陽性的中率)は、感度・特異度だけでなく検査前確率(有病率)にも依存します。対象者1万人とすると有病者は10人で、そのうち陽性は感度20%から2人です。非有病者9,990人の5%(1−特異度)は偽陽性となり約500人なので、陽性者約502人中の真陽性2人、すなわち約0.4%がこの疾患を有する確率です。
各選択肢の検討
a.誤り。0.02%は有病率0.1%に感度20%を単純に掛けた値であり、偽陽性を含む陽性者全体を分母にしていません。
b.正しい。陽性的中率は0.001×0.20 ÷ [(0.001×0.20)+(0.999×0.05)] ≒0.00399、すなわち約0.4%です。
c.誤り。5%は非罹患者における偽陽性率(1−特異度)で、陽性者が罹患している確率ではありません。
d.誤り。20%は検査の感度、すなわち罹患者が陽性になる割合で、陽性者における罹患確率とは異なります。
e.誤り。25%は感度と偽陽性率を足した値で、陽性者における罹患確率の計算にはなりません。
覚えるポイント
有病率が低い集団では、感度・特異度が高くても偽陽性が真陽性を大きく上回り、陽性的中率は低くなる。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第106回医師国家試験問題および正答
- MSD Manual Professional Edition: Understanding Medical Tests and Test Results
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。