経口補液とNa+・ブドウ糖共輸送|第106回医師国家試験G33

第106回医師国家試験 G33(2012年)

正答:a

問題

経口補液剤に含有され、小腸でブドウ糖とともに共役輸送されて水分吸収を促進するのはどれか。

a.Na

b.K

c.Cl

d.Ca

e.Mg

正答の理由

小腸上皮の刷子縁膜にあるNa+/グルコース共輸送体SGLT1は、Na+とブドウ糖を一緒に細胞内へ取り込みます。この輸送は分泌性下痢でも保たれるため、Na+とブドウ糖を適切な比率で含む経口補液(ORS)を飲むと溶質の吸収に伴って水も吸収されます。これが経口補液療法の原理で、WHOの低浸透圧ORSはブドウ糖75 mmol/L・Na 75 mmol/Lを含みます。

各選択肢の検討

a.正しい。Na+はSGLT1によりブドウ糖と共役して吸収され、それに伴って水が吸収されます。ORSがNaとブドウ糖の組合せでなければならない理由です。

b.誤り。K+は下痢で失われる電解質でWHOの標準ORSにも含まれます(K 20 mEq/L)が、SGLT1がブドウ糖と一緒に運ぶのはNa+で、K+ではありません。

c.誤り。Cl-も下痢で失われ標準ORSに含まれる陰イオン(Cl 80 mEq/L)ですが、SGLT1によるブドウ糖との共役輸送の基質ではありません。

d.誤り。Ca2+はSGLT1でブドウ糖と共役輸送されるイオンではなく、ORSの水分吸収促進の原理とは関係しません。

e.誤り。Mg2+もSGLT1による共役輸送の対象ではなく、ORSの水分吸収促進の原理とは関係しません。

覚えるポイント

ORSの原理=SGLT1によるNa+・ブドウ糖共輸送に水が伴う。スポーツドリンクはNaが少なく糖が多すぎる。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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