第106回医師国家試験 G32(2012年)
正答:a
問題
災害初期の保健活動として優先度が高いのはどれか。
a.防疫対策
b.メンタルケア
c.在宅者の訪問指導
d.避難所の一般廃棄物調査
e.仮設住宅入居者の自立支援
正答の理由
発災直後〜数日(超急性期・急性期)の避難所では、密集・断水・トイレ不足などで感染症が拡がりやすく、保健活動として手指衛生・トイレやドアノブの清掃消毒・有症状者の把握と隔離などの感染症予防対策(防疫)を早期から準備・実施します。神奈川県の保健師活動マニュアルでも、フェーズ2(およそ発災1〜3日後)から避難所の感染症予防対策の検討、フェーズ3(〜1週間後)でその準備と実施が挙げられ、仮設住宅入居者の健康把握はフェーズ4以降に位置づけられています。
各選択肢の検討
a.正しい。避難所の集団生活で起こりやすい感染性胃腸炎・インフルエンザなどの予防・拡大防止は、災害初期から優先される保健活動です。
b.誤り(初期の最優先ではない)。こころのケアは急性期からこころのケアチームとの連携として始まりますが、専門的なメンタルケアの比重が大きくなるのは主に亜急性期以降です。
c.誤り。在宅者への系統的な訪問指導は、避難所対応と安否確認が一段落した後の段階で本格化します。
d.誤り。避難所のごみは置き場を決めて害虫発生を防ぐ衛生管理の対象ですが、一般廃棄物の「調査」は初期の保健活動として優先度が高いものではありません。
e.誤り。仮設住宅入居者の健康状態の把握や自立支援は、仮設住宅が整備される亜急性期〜慢性期(発災1か月前後以降)の活動です。
覚えるポイント
災害初期=救護・安否確認・避難所の感染症対策(防疫)。こころのケア・在宅訪問は急性期後半から、仮設住宅支援は慢性期。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。