出生後の循環移行|第106回医師国家試験G28

第106回医師国家試験 G28(2012年)

正答:b

問題

健常新生児で生後1週までに低下するのはどれか。

a.左室拍出量

b.肺血管抵抗

c.肺静脈還流量

d.大動脈拡張期血圧

e.大動脈血酸素飽和度

正答の理由

出生後の最初の呼吸で肺が膨らみ、PaO2上昇・PaCO2低下と一酸化窒素などの血管拡張物質により肺細動脈抵抗は急激に低下します。数分以内に体血管抵抗が肺血管抵抗を上回り、動脈管の血流は左→右に逆転し(移行循環)、生後24〜72時間ごろ動脈管が収縮・閉鎖します。肺血流が増える結果、肺静脈還流・左房圧・左心系の拍出は増加し、酸素化も改善します。

各選択肢の検討

a.誤り。胎児期は肺血流が少なく左心への還流が限られますが、出生後は肺静脈から左房へ戻る血液が増え、体循環のすべてを左室が担うため左室拍出量は増加します(胎児期の左室は静脈還流の約35%しか受けず、出生後は肺静脈還流が左室前負荷の主体になります)。

b.正しい。肺の拡張、PaO2上昇・PaCO2低下、一酸化窒素などにより肺血管抵抗は出生直後から急速に低下します。

c.誤り。肺血流が確立するにつれ肺静脈還流は増え続け、左房圧を上げて卵円孔を機能的に閉鎖させます。

d.誤り。低抵抗の胎盤循環がなくなって体血管抵抗が上がり、動脈管閉鎖で拡張期に肺動脈側へ流れ込む血流もなくなるため、大動脈拡張期血圧は低下しません。臍帯結紮で左室後負荷が上がり、動脈圧は階段状に上昇します。

e.誤り。胎児の血液の酸素飽和度は出生後より著しく低く、肺呼吸の開始と右→左短絡の消失により大動脈血酸素飽和度は上昇します。

覚えるポイント

出生後:肺血管抵抗↓、肺血流・肺静脈還流↑、左房圧↑で卵円孔閉鎖、動脈管は24〜72時間で閉鎖、SaO2↑。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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