女性骨盤内の解剖|第106回医師国家試験G19

第106回医師国家試験 G19(2012年)

正答:d

問題

女性の骨盤内解剖で正しいのはどれか。

a.尿管は腹腔内を走行する。

b.卵巣動脈は腎動脈から分岐する。

c.子宮円索は基靱帯の一部を構成する。

d.子宮動脈は内腸骨動脈から分岐する。

e.Douglas 窩とは子宮と膀胱の間を指す。

正答の理由

子宮動脈は内腸骨動脈の前枝(前幹)から起こり、基靱帯(子宮頸横靱帯)の中を内側へ走って子宮頸部側方に達し、その途中で尿管の前上方を越えます("water under the bridge")。尿管は後腹膜臓器、卵巣動脈は腹部大動脈から直接分岐、子宮円索は鼠径管へ向かう別の索状物、Douglas窩は子宮と直腸の間です。

各選択肢の検討

a.誤り。尿管は腎・副腎・大動脈と同じ一次性の後腹膜臓器で、骨盤内でも広間膜後葉の腹膜の外側(後腹膜腔)を走ります。

b.誤り。卵巣動脈は第2腰椎付近で腹部大動脈の前外側から直接分岐し、骨盤漏斗靱帯(卵巣提索)を通って卵巣に達します。腎動脈から分かれるのではありません。

c.誤り。子宮円索は子宮角の前外側から広間膜内を外側へ走り、深鼠径輪から鼠径管を通って大陰唇・恥丘に終わります。基靱帯は子宮頸部・腟上部側方と骨盤側壁を結ぶ結合組織で、子宮動静脈などを含み、円索はその構成要素ではありません。

d.正しい。子宮動脈は内腸骨動脈前幹の枝で、基靱帯内を走って子宮頸部に至ります。広汎子宮全摘などで尿管との交差が重要な目印になります。

e.誤り。Douglas窩(直腸子宮窩)は子宮後壁(腟後円蓋)と直腸の間の腹膜の陥凹で、腹膜腔の最下点です。子宮と膀胱の間は膀胱子宮窩です。

覚えるポイント

子宮動脈=内腸骨動脈、卵巣動脈=腹部大動脈、Douglas窩=子宮と直腸の間、円索=鼠径管へ。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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