障害受容の段階|第106回医師国家試験G13

第106回医師国家試験 G13(2012年)

正答:a

問題

障害の受容について正しいのはどれか。

a.ショック期では、感情が抑制されやすい。

b.否認期では、自己の障害の理解が重要である。

c.混乱期では、抑うつ的になることはまれである。

d.悲観期では、家族の強い励ましが重要である。

e.いったん受容に至れば、障害受容は完成する。

正答の理由

中途障害者の障害受容は、上田敏の5段階説(ショック期→否認期→混乱期→解決への努力期→受容期)で説明されることが多く、本問もこの考え方に沿っています。ショック期は重大な病気や障害を負ったことを頭ではわかっていても、心の中は意外に平穏で、感情の動きが乏しく現実感が伴わない時期です。この理論は患者の心理を理解する目安で、すべての人が同じ順序・速度で進むわけではありません。

各選択肢の検討

a.ショック期では、感情が抑制されやすい。 正しい。ショック期は感情が麻痺したように抑えられ、意外に平穏で無関心にみえることが多い時期です。

b.否認期では、自己の障害の理解が重要である。 誤り。否認期は障害を認めず、わずかな回復を過大評価したり奇跡を期待したりする時期です。説得して障害を理解させようとするのは無益で、患者を破局反応に追い込むおそれがあるとされ、まず気持ちを受け止めて支えることが大切です。

c.混乱期では、抑うつ的になることはまれである。 誤り。混乱期は障害が簡単には治らないとわかり、周囲に攻撃的になったり、落ち込んだり、死にたいと思ったりする時期で、抑うつ的になることはよくみられます。

d.悲観期では、家族の強い励ましが重要である。 誤り。悲嘆・抑うつが強い時期(上田の5段階説に「悲観期」という段階名はなく、否認期後半〜混乱期の悲嘆・抑うつにあたる)に強く励まして前向きさを求めると、かえって負担になりえます。焦らず患者の気持ちを受け止める関わりが基本です。

e.いったん受容に至れば、障害受容は完成する。 誤り。障害受容は段階を一方向に進んで固定的に完成するものではなく、人によって経過は大きく異なり、生活や状況の変化で揺れ動くこともあります。長年受容しきれない人もいます。

覚えるポイント

障害受容の段階:ショック期(感情は平穏・麻痺)→否認期→混乱期(攻撃性・抑うつ)→解決への努力期→受容期。説得や叱咤より気持ちの受容。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

第106回の一覧へ戻る

タイトルとURLをコピーしました