第106回医師国家試験 G10(2012年)
正答:c
問題
末期腎不全患者に対し、常用量を投与可能なのはどれか。
a.ST合剤
b.オセルタミビル
c.ミノサイクリン
d.レボフロキサシン
e.カルバペネム系抗菌薬
正答の理由
腎排泄型の薬剤は、腎機能が低下すると血中濃度が上昇して副作用が出やすくなるため、クレアチニンクリアランス(Ccr)に応じた減量や投与間隔の延長が必要です。ミノサイクリンの添付文書には腎機能に応じた用量調節の規定がなく、腎機能障害患者は注意して投与する対象(副作用が強く出るおそれ)とされているのみで、選択肢の中では常用量で投与できる薬剤です。ほかの4つはいずれも添付文書でCcrに応じた減量・間隔延長が定められています。
各選択肢の検討
a.ST合剤誤り。スルファメトキサゾール・トリメトプリムは、Ccr 15〜30 mL/分で通常の1/2量、15 mL/分未満では投与しないことが望ましいとされます。
b.オセルタミビル誤り。オセルタミビルは腎排泄で、治療ではCcr 10〜30 mL/分で75 mgを1日1回に減らし、Ccr 10 mL/分以下では推奨用量が確立していません。
c.ミノサイクリン正しい。ミノサイクリンには腎機能別の用量調節の規定がなく、末期腎不全でも常用量で投与できます(副作用の発現には注意します)。
d.レボフロキサシン誤り。レボフロキサシンは腎排泄型で、CLcr 20〜50 mL/分では初日500 mgの後250 mgを1日1回、20 mL/分未満では初日500 mgの後3日目以降250 mgを2日に1回に調節します。血液透析やCAPDでほとんど除去されない点にも注意が必要です。
e.カルバペネム系抗菌薬誤り。メロペネムなどのカルバペネム系はCcr 50 mL/分以下で1回量の減量や投与間隔の延長が必要で、血液透析日は透析後に投与します。
覚えるポイント
腎機能で減量が要らない代表はミノサイクリン(テトラサイクリン系)。ST合剤・オセルタミビル・キノロン・カルバペネムはCcrで調節する。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第106回医師国家試験問題および正答
- ミノマイシン錠50mg 電子添文(ファイザー)
- ダイフェン配合錠 電子添文(鶴原製薬)
- タミフルカプセル75 電子添文(中外製薬)
- クラビット錠250mg・錠500mg 電子添文(第一三共)
- メロペネム点滴静注用0.25g・0.5g「日医工」 電子添文(日医工)
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。