第106回医師国家試験 G5(2012年)
正答:b
問題
メタボリックシンドロームで低下するのはどれか。
a.空腹時血糖
b.血中アディポネクチン
c.血中トリグリセリド
d.収縮期血圧
e.腹囲
正答の理由
メタボリックシンドロームは、過剰な腹部(内臓)脂肪を基盤に、インスリン抵抗性による空腹時血糖の上昇、脂質異常(トリグリセリド高値・HDLコレステロール低値)、血圧上昇が集積する病態です。アディポネクチンは脂肪細胞が分泌するアディポサイトカインで、インスリン感受性を高め動脈硬化を抑える方向に働きますが、内臓脂肪が蓄積すると血中濃度はむしろ低下し、メタボリックシンドロームの構成要素が増えるほど低くなると報告されています。選択肢のうち低下するのはアディポネクチンだけです。
各選択肢の検討
a.空腹時血糖誤り。インスリン抵抗性と高インスリン血症を背景に、空腹時血糖は上昇します(診断項目の一つ)。
b.血中アディポネクチン正しい。内臓脂肪蓄積に伴い低アディポネクチン血症となり、インスリン抵抗性や動脈硬化の進展に関わります。
c.血中トリグリセリド誤り。門脈へ流入する遊離脂肪酸の増加などを背景に、トリグリセリドは高値になります。
d.収縮期血圧誤り。高血圧(血圧上昇)は構成要素の一つで、低下ではありません。
e.腹囲誤り。内臓脂肪の蓄積を反映して腹囲(ウエスト周囲長)は大きくなります。
覚えるポイント
メタボリックシンドロームで「下がる」のはアディポネクチンとHDLコレステロール。腹囲・TG・血圧・血糖は上がる。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第106回医師国家試験問題および正答
- メタボリックシンドローム(MSDマニュアル プロフェッショナル版)
- Relationships between adiponectin levels, the metabolic syndrome, and type 2 diabetes: a literature review(von Frankenberg AD, et al. Arch Endocrinol Metab 2017、Europe PMC)
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。