減量がうまくいかない糖尿病患者への面接(共感と障害の聞き取り)|第106回医師国家試験F21

第106回医師国家試験 F21(2012年)

正答:b

問題

52歳の男性。糖尿病治療目的で外来通院中である。体重を減量する必要性を本人も理解しているが、これまでの5回の受診で体重が漸増している。身長165 cm、体重82 kg。HbA1c 7.6%(基準4.3〜5.8)。

医師の発言として適切なのはどれか。

a.「何度説明しても無駄ですね」

b.「減量では何がつらいですか」

c.「体重が増えて透析になっても知りませんよ」

d.「次回までに体重が減らないと私は責任が持てません」

e.「今回できなかった分も加えて次回までに減量しましょう」

正答の理由

減量の必要性は理解しているのに実行できていない患者です。知識をさらに繰り返したり、脅したり突き放したりしても行動は変わりにくく、患者が「何に困っているのか」を開かれた質問で聞き取り、実行を妨げている要因と現実的な対処法を一緒に考える姿勢が適切です。保健指導の指針でも、対象者の生活や価値観を否定せず、うまくいかなかった経験を確認したうえで無理のない目標を対象者とともに設定することが求められています。

各選択肢の検討

a.誤り。患者の努力や理解を否定する発言で、信頼関係を損ない、受診や治療意欲そのものを失わせるおそれがあります。

b.正しい。開かれた質問で減量の妨げとなっている具体的な困難を引き出し、患者と一緒に対処法を考える出発点になります。

c.誤り。糖尿病性腎症が進行すれば透析に至り得ますが、突き放すような脅しは患者を萎縮させ、行動変容にはつながりません。

d.誤り。医師が責任を放棄するような言い方は患者を見捨てる印象を与え、関係を壊します。目標未達でも支援を続けるのが医師の役割です。

e.誤り。達成できなかった分を上乗せすると目標がさらに非現実的になり、失敗を繰り返して意欲を下げます。これまでの達成状況を踏まえた無理のない目標設定が必要です。

覚えるポイント

行動変容が進まない患者には、否定・脅しを避け、開かれた質問で困難を聞き取り、実行可能な目標を一緒に立てる。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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