脳死下臓器提供の法制度|第106回医師国家試験F13

第106回医師国家試験 F13(2012年)

正答:d

問題

我が国の脳死臓器移植について正しいのはどれか。

a.腎臓は臓器売買が認められている。

b.心停止前の臓器摘出は禁止されている。

c.ドナーカードによる同意が必須である。

d.遺族には臓器摘出を拒否する権利がある。

e.本人意思が不明の場合は裁判所が判断する。

正答の理由

臓器の移植に関する法律(臓器移植法、2009年改正・2010年全面施行)では、死体(脳死した者の身体を含む)からの臓器摘出は、①本人が書面で提供の意思を表示していて、告知を受けた遺族が摘出を拒まないとき(または遺族がないとき)、②本人の意思が不明(提供拒否の意思表示もない)で、遺族が書面で承諾したとき、に限って認められます。本人が提供を希望していても遺族は摘出を拒むことができるので、dが正しいです。

各選択肢の検討

a.誤り。臓器移植法第11条は、臓器の提供・あっせんの対価として財産上の利益を受けたり与えたりすること(臓器売買)を、臓器の種類を問わず禁止しています。

b.誤り。法律は脳死した者の身体を死体に含めており、脳死判定後は心臓が拍動している状態で臓器を摘出します。心停止前の摘出が禁止されているわけではありません。

c.誤り。2010年の改正法施行以降、本人の意思が不明でも遺族の書面による承諾があれば提供できます。ドナーカードなどによる本人の書面同意は必須ではありません。

d.正しい(正答)。本人が書面で提供意思を示していても、告知を受けた遺族が摘出を拒んだ場合には摘出できません(第6条第1項第1号)。

e.誤り。本人の意思が不明な場合に判断するのは遺族で、遺族が書面で承諾すれば摘出できます(第6条第1項第2号)。裁判所は関与しません。

覚えるポイント

改正臓器移植法:本人意思表示+遺族が拒まない、または本人意思不明+遺族の書面承諾。臓器売買は全面禁止。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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