身体診察所見と疾患の対応|第106回医師国家試験F10

第106回医師国家試験 F10(2012年)

正答:c

問題

身体診察所見と病態・疾患の組合せで正しいのはどれか。

a.声音振盪の増強――反回神経麻痺

b.踵下ろし試験〈heel-drop jarring test〉陽性――胸水貯留

c.Barré 徴候陽性――片麻痺

d.Romberg 試験陽性――感音性難聴

e.Weber 試験陽性――腹膜炎

正答の理由

Barré徴候は、両上肢を手掌を上にして前方へ水平に挙上させ閉眼で保持させると、麻痺側の上肢が回内しながら下垂する(下肢では腹臥位で膝を曲げた下腿が下降する)検査で、軽い錐体路障害による片麻痺を見つけるのに使います。上肢の回内・下垂は軽微な筋力低下の徴候で、片麻痺との組合せcが正しいです。

各選択肢の検討

a.誤り。声音振盪は話している間に胸壁で触れる振動で、肺炎などの肺の浸潤影(硬化)で増強し、胸水や気胸で減弱・消失します。反回神経麻痺は声帯麻痺による嗄声を起こす病態で、声音振盪の増強とは結びつきません。

b.誤り。踵下ろし試験はつま先立ちから踵を落として腹部に響く痛みを確かめる検査で、虫垂炎などの腹膜刺激(腹腔内の炎症)を示します。胸水貯留の所見ではありません。

c.正しい(正答)。上肢を挙上保持させた際の回内・下垂(Barré徴候、回内落下)は軽い錐体路性の筋力低下を示し、片麻痺の検出に用います。

d.誤り。Romberg試験は閉眼・閉脚起立でふらつきが増す(陽性)かをみる検査で、下肢の位置覚(深部感覚)障害を示します。聴覚の検査ではありません。

e.誤り。Weber試験は音叉を頭頂正中に当てて音の偏りをみる聴力検査で、一側性の伝音難聴では患側へ、感音難聴では健側へ偏ります。腹膜炎とは関係ありません。

覚えるポイント

Barré徴候=軽い片麻痺、Romberg陽性=深部感覚障害、Weber=難聴の伝音/感音の鑑別、踵下ろし=腹膜刺激、声音振盪↑=肺の硬化。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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