肺腺癌の特徴|第106回医師国家試験F8

第106回医師国家試験 F8(2012年)

正答:c

問題

肺腺癌について正しいのはどれか。

a.肺癌の他の組織型に比べてホルモン産生腫瘍が多い。

b.胸部エックス線写真の典型像は空洞形成である。

c.肺癌の組織型の中では最も頻度が高い。

d.喀痰細胞診で早期発見されやすい。

e.血清 NSE が上昇する。

正答の理由

肺腺癌は肺癌全体の約40%を占め、組織型の中で最も多いものです。非喫煙者や女性にも多く、肺の末梢に結節・腫瘤として発生しやすいのが特徴で、EGFR遺伝子変異などのドライバー変異が見つかることがあります。正答はcです。

各選択肢の検討

a.誤り。ADHやACTHの異所性産生(SIADH、Cushing症候群)などの腫瘍随伴症候群は小細胞癌に多くみられます。腺癌はホルモン産生腫瘍が多い組織型ではありません。

b.誤り。原発性肺癌で空洞がみられるのは胸部エックス線写真で1割前後と一部で、組織型では扁平上皮癌に多い所見です(腺癌でも起こりえます)。腺癌の典型像は肺末梢の結節・腫瘤です。

c.正しい(正答)。腺癌は肺癌の約40%を占める最多の組織型で、非喫煙者に発生する肺癌でも最も多い組織型です。

d.誤り。喀痰細胞診で見つかりやすいのは、太い気管支に発生する中枢型の扁平上皮癌や小細胞癌です。末梢に発生する腺癌は痰に癌細胞が出にくく、喀痰細胞診では見つけにくい傾向があります。

e.誤り。NSE(神経特異エノラーゼ)は小細胞肺癌の古典的な腫瘍マーカーで、腺癌に特徴的なマーカーではありません(非小細胞肺癌の一部でも上昇することはあります)。

覚えるポイント

腺癌=最多・末梢・非喫煙者にも多い。扁平上皮癌=中枢・空洞・喀痰細胞診。小細胞癌=NSE・ホルモン産生(SIADH・Cushing)。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

第106回の一覧へ戻る

タイトルとURLをコピーしました