第106回医師国家試験 F6(2012年)
正答:c
問題
障害されると右方視の際に複視をきたすのはどれか。
a.右視神経
b.右三叉神経
c.右外転神経
d.左顔面神経
e.左副神経
正答の理由
右方視では右眼の外直筋(右眼を外転)と左眼の内直筋(左眼を内転)が働きます。外直筋を支配するのは外転神経(第VI脳神経)なので、右外転神経麻痺では右眼が外転できず、右を見たときに両眼の視線がずれて水平性の複視が出現します。正答はcです。
各選択肢の検討
a.誤り。視神経障害では視力低下や視野欠損が起こりますが、眼球運動は障害されないため両眼性の複視は生じません。
b.誤り。三叉神経は顔面の感覚と咀嚼筋を支配し、外眼筋は支配しません。障害で顔面の感覚低下や角膜反射の低下が起こります。
c.正しい(正答)。右外転神経麻痺では右外直筋が働かず、右方視で右眼が外転できないため、麻痺眼の側を見たときに水平性複視が出ます。正面視でも右眼がやや内転位になります。
d.誤り。顔面神経は表情筋を支配し、障害されると兎眼(閉眼不全)などは起こりますが、外眼筋の麻痺はなく複視は生じません。
e.誤り。副神経は胸鎖乳突筋と僧帽筋を支配し、障害で頭部回旋や肩挙上の筋力が低下します。眼球運動とは関係しません。
覚えるポイント
外転神経麻痺は麻痺側を見たときの水平性複視。右方視は右外直筋(VI)+左内直筋(III)。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第106回医師国家試験問題および正答
- Sixth Cranial Nerve (Abducens) Palsy(MSD Manual Professional Edition)
- How To Assess the Cranial Nerves(MSD Manual Professional Edition)
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。