化学療法後の発熱性好中球減少症|第106回医師国家試験E49

第106回医師国家試験 E49(2012年)

正答:b

問題

61歳の男性。急性骨髄性白血病に対する抗がん化学療法開始後13日。今朝から悪寒戦慄を伴う39 ℃台の発熱を認める。白血球1,100(好中球10 %、好酸球1 %、好塩基球1 %、単球7 %、リンパ球81 %)。CRP 23 mg/dl。

発熱の原因として最も考えられるのはどれか。

a.リステリア

b.黄色ブドウ球菌

c.ニューモシスチス

d.サイトメガロウイルス

e.水痘・帯状疱疹ウイルス

正答の理由

白血球1,100/μlのうち好中球10%で、絶対好中球数は約110/μlです。抗がん化学療法後の高度好中球減少に悪寒戦慄を伴う高熱が出現しており、発熱性好中球減少症に伴う細菌感染を考えます。黄色ブドウ球菌は皮膚・カテーテル等を侵入門戸とする原因菌の一つです。 ただし臨床所見だけで菌種を確定できるわけではなく、血液培養等を採取し、緑膿菌を含む広い菌種に対する経験的抗菌薬を速やかに開始する状況です。

各選択肢の検討

a.リステリア。誤り。免疫抑制患者の原因になり得ますが、本問の発熱性好中球減少症で特に考える菌ではありません。

b.黄色ブドウ球菌。正しい。好中球数は約110/μlと著減し、化学療法後の発熱性好中球減少症です。皮膚・粘膜障害やカテーテル等からの細菌感染が重要で、黄色ブドウ球菌は原因菌となります。

c.ニューモシスチス。誤り。ニューモシスチス肺炎は呼吸器症状と低酸素血症を呈することが多く、急な悪寒戦慄を伴う高熱だけの経過は典型的でありません。

d.サイトメガロウイルス。誤り。CMV再活性化は長期の免疫抑制後などに問題となり、化学療法開始13日後の急性細菌性発熱の第一候補ではありません。

e.水痘・帯状疱疹ウイルス。誤り。皮疹や神経症状が示されておらず、悪寒戦慄を伴う急性発熱性好中球減少症の主な原因ではありません。

覚えるポイント

絶対好中球数=白血球数×好中球割合。高度好中球減少時の発熱は重症感染として迅速に対応する。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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