第106回医師国家試験 E35(2012年)
正答:b・e
問題
胎児期の器官形成と臓器の成熟について正しいのはどれか。2つ選べ。
a.心臓は外胚葉から発生する。
b.胎児心拍数は妊娠中期以降に減少する。
c.胎児副腎の胎児層は妊娠早期に退縮する。
d.胎児赤血球の酸素親和性は成人に比べて低い。
e.II型肺胞上皮細胞は肺表面活性物質を産生する。
正答の理由
心臓は中胚葉から形成され、胎児心拍数は妊娠初期に上昇してピークを迎えた後、中期以降は妊娠週数とともに低下します。胎児副腎の胎児層は出生後に退縮し、胎児ヘモグロビンは成人Hbより酸素親和性が高いので、正しいのは胎児心拍数の推移とII型肺胞上皮細胞の働きです。
各選択肢の検討
a.心臓は外胚葉から発生する。誤り。心臓は側板中胚葉由来で、外胚葉由来ではありません。
b.胎児心拍数は妊娠中期以降に減少する。正しい。胎児心拍数は妊娠初期の高値から妊娠週数とともに低下し、妊娠後半には成人より速い範囲で安定します。
c.胎児副腎の胎児層は妊娠早期に退縮する。誤り。胎児副腎皮質の大きな胎児層は妊娠中に発達し、出生後に退縮します。
d.胎児赤血球の酸素親和性は成人に比べて低い。誤り。胎児ヘモグロビンは成人ヘモグロビンより酸素親和性が高く、胎盤で母体血から酸素を受け取りやすくします。
e.II型肺胞上皮細胞は肺表面活性物質を産生する。正しい。II型肺胞上皮細胞はサーファクタントを分泌し、肺胞の表面張力を下げます。
覚えるポイント
胎児Hbは高酸素親和性、肺胞II型細胞はサーファクタント産生。胎児副腎の胎児層は出生後に退縮する。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第106回医師国家試験問題および正答
- MSD Manual Professional Edition: Perinatal Physiology
- MSD Manual Professional Edition: Respiratory Distress Syndrome in Neonates
- Embryonic Heart Progenitors and Cardiogenesis(2013)
- Gender-specific evolution of fetal heart rate variability throughout gestation: A study of 8823 cases(PubMed abstract)
- Development and function of the fetal adrenal(2023)
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。