不随意運動と原因疾患|第106回医師国家試験E34

第106回医師国家試験 E34(2012年)

正答:a

問題

不随意運動と疾患の組合せで正しいのはどれか。

a.振戦――甲状腺機能亢進症

b.チック――肝性脳症

c.舞踏運動――有機水銀中毒

d.ジストニア――ビタミンD欠乏症

e.ミオクローヌス――進行麻痺

正答の理由

甲状腺機能亢進症ではアドレナリン作動性の刺激に対する感受性が高まり、手指などに細かく速い振戦(生理的振戦の増強)が出ます。動悸・体重減少・暑がり・不安などとともに振戦は代表的な症状です。ほかの組合せは、それぞれの疾患に特徴的な不随意運動・症状と一致しません。

各選択肢の検討

a.振戦――甲状腺機能亢進症。正しい。甲状腺機能亢進症は生理的振戦を増強させる代表的な疾患です。

b.チック――肝性脳症。誤り。チックは突然・急速・非律動的に繰り返す運動や発声で、小児のチック症・Tourette症候群でみられます。肝性脳症に特徴的なのは羽ばたき振戦(asterixis)です。

c.舞踏運動――有機水銀中毒。誤り。舞踏運動の代表はHuntington病やSydenham舞踏病です。水銀化合物による中毒では神経系が障害され、振戦・運動機能障害・認知機能障害などがみられますが、舞踏運動は代表的な症状ではありません。

d.ジストニア――ビタミンD欠乏症。誤り。ジストニアは持続的・間欠的な筋収縮による異常姿勢・運動で、原発性のほか抗精神病薬などで起こります。ビタミンD欠乏症では低カルシウム血症によるテタニー(口唇・指先のしびれ、筋痙攣)や、くる病・骨軟化症が起こります。

e.ミオクローヌス――進行麻痺。誤り。ミオクローヌスが特徴的なのはCreutzfeldt-Jakob病や亜急性硬化性全脳炎などです。進行麻痺(実質型神経梅毒)は感染から15〜20年後に人格変化・認知症で進行する病態です。

覚えるポイント

振戦=甲状腺機能亢進症、羽ばたき振戦=肝性脳症、舞踏運動=Huntington病、ミオクローヌス=CJD・SSPE、ビタミンD欠乏=テタニー。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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