hCG定量が有用な疾患|第106回医師国家試験E24

第106回医師国家試験 E24(2012年)

正答:d

問題

ヒト絨毛性ゴナドトロピン〈hCG〉の定量が診断に最も有用なのはどれか。

a.切迫流産

b.多胎妊娠

c.妊娠悪阻

d.胞状奇胎

e.子宮内発育遅延

正答の理由

hCGは絨毛(トロホブラスト)が産生するホルモンです。胞状奇胎は絨毛の異常増殖なので、妊娠週数から予想されるより著しく高い血清β-hCGを示し、子宮が週数より大きい、超音波で多数の小嚢胞を含む腫瘤がみられるなどの所見と合わせて診断します。娩出後もβ-hCGの推移を追い、下がらなければ侵入奇胎・絨毛癌(妊娠性絨毛性腫瘍)を疑うため、診断と経過観察の両方でhCG定量が中心になります。

各選択肢の検討

a.切迫流産。誤り。性器出血があり頸管が閉じている状態で、胎嚢・胎児心拍を確かめる経腟超音波が評価の中心です。hCGは妊娠の確認や経時的な補助指標にとどまります。

b.多胎妊娠。誤り。hCGが高めになることはありますが値に特異性はなく、子宮が週数より大きいことで疑い、超音波で胎児数と膜性を確認して診断します。

c.妊娠悪阻。誤り。hCGの急上昇が原因の一つと考えられていますが、診断は嘔吐の程度・体重減少・尿ケトン体などの臨床所見で行い、超音波で胞状奇胎や多胎を除外します。

d.胞状奇胎。正しい。週数に比べて異常高値のβ-hCGが診断の手がかりになり、治療後の追跡(続発する腫瘍の発見)にもhCG定量を用います。

e.子宮内発育遅延。誤り。超音波で計測した推定胎児体重や腹囲を妊娠週数の基準と比べて評価する病態で、絨毛の産生するhCGの定量は胎児発育の指標になりません。

覚えるポイント

hCGは絨毛の腫瘍マーカー。胞状奇胎は週数に比してhCG異常高値で、娩出後もhCGで続発腫瘍を監視する。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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