第106回医師国家試験 D20(2012年)
正答:a・d・e
問題
小児の急性細気管支炎について正しいのはどれか。3つ選べ。
a.RS ウイルスが病因となる。
b.3〜4 歳児に好発する。
c.吸気性呼吸困難がみられる。
d.胸部エックス線写真で両側肺野の透過性が亢進する。
e.加湿酸素の吸入が有効である。
正答の理由
急性細気管支炎は2歳未満(ピーク2〜6か月)の乳児に多い下気道ウイルス感染で、RSウイルスが最多の原因です。細気管支の浮腫と滲出物による部分閉塞が呼気時に強く、空気とらえこみ(air trapping)を起こすため、呼気性喘鳴・呼気延長・陥没呼吸がみられ、胸部X線では過膨張(透過性亢進・横隔膜低下)を示します。治療は酸素投与と水分管理を中心とした支持療法です。
各選択肢の検討
a.RS ウイルスが病因となる。正しい。RSウイルスが細気管支炎の大部分(最大約80%)の原因です。ほかにライノウイルス、パラインフルエンザウイルス3型、ヒトメタニューモウイルスなど。
b.3〜4 歳児に好発する。誤り。主に2歳未満、特に生後2〜6か月に好発します。
c.吸気性呼吸困難がみられる。誤り。閉塞は呼気時に強く、呼気性喘鳴・呼気延長を伴う呼気性呼吸困難です。吸気性喘鳴(stridor)はクループなど上気道狭窄の所見です。
d.胸部エックス線写真で両側肺野の透過性が亢進する。正しい。air trappingにより肺の過膨張・横隔膜低位がみられます(無気肺の浸潤影を伴うこともあります)。
e.加湿酸素の吸入が有効である。正しい。低酸素血症がある場合の酸素投与(加湿して投与)と脱水の補正が、支持療法である治療の中心です。
覚えるポイント
細気管支炎=2歳未満(2〜6か月)・RSウイルス・呼気性喘鳴と呼気延長・X線で過膨張・治療は酸素と水分補給の支持療法。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。