COPD(肺気腫)の身体所見|第106回医師国家試験D14

第106回医師国家試験 D14(2012年)

正答:c・e

問題

長期の喫煙歴があり、労作時の呼吸困難を訴える患者の胸部エックス線写真(別冊No. 5)を別に示す。

この疾患で認められる可能性が高いのはどれか。2つ選べ。

a.fine crackles

b.声音振盪の増強

c.呼吸音の減弱

d.胸膜摩擦音

e.呼気の延長

胸部エックス線正面像。両肺は過膨張して透過性が亢進し、横隔膜は低位で平低化している。心陰影は縦長で細い(滴状心)。肺野末梢の血管影は乏しい。
別冊No. 5 / 出典:厚生労働省・第106回D別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

長期喫煙者の労作時呼吸困難と、過膨張・横隔膜平低化・滴状心の胸部X線からCOPD(肺気腫優位)を考えます。肺胞壁の破壊と過膨張で呼吸音は減弱し、弾性収縮力低下と気道虚脱による呼出障害で呼気が延長します(喘鳴を伴うこともあります)。

画像の見方

両肺の過膨張と透過性亢進、横隔膜の低位・平低化、縦長で細い心陰影(滴状心)、末梢肺血管影の減少を認め、長期喫煙歴と労作時呼吸困難とあわせて慢性閉塞性肺疾患(肺気腫型)と判断されます。

各選択肢の検討

a.fine crackles。誤り。捻髪音(fine crackles)は主に吸気時に聴かれ、間質性肺疾患(特発性肺線維症など)の典型所見です。

b.声音振盪の増強。誤り。声音振盪は肺炎などの硬化(consolidation)で増強し、胸水・気胸で減弱する所見です。COPDで増強する理由はなく、空気の多い過膨張肺では一般にむしろ減弱します。

c.呼吸音の減弱。正しい。肺胞破壊と過膨張によりCOPDでは呼吸音が減弱します。

d.胸膜摩擦音。誤り。胸膜の炎症(胸膜炎など)で臓側・壁側胸膜がこすれる音で、COPDの特徴ではありません。

e.呼気の延長。正しい。気流閉塞によりCOPDでは呼気相が延長します。

覚えるポイント

COPD(肺気腫):X線で過膨張・横隔膜平低化・滴状心、聴診で呼吸音減弱・呼気延長(±wheeze)、声音振盪は減弱。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

第106回の一覧へ戻る

タイトルとURLをコピーしました