第106回医師国家試験 D10(2012年)
正答:a
問題
喉頭内視鏡の写真(別冊No. 3 ①〜⑤)を別に示す。
喉頭癌と考えられるのはどれか。
a.①
b.②
c.③
d.④
e.⑤

正答の理由
喉頭癌(多くは扁平上皮癌)は喫煙・飲酒と関連し、声門癌では早期から嗄声が出ます。内視鏡では片側声帯の表面不整な隆起、白色角化物、発赤、潰瘍などを示し、診断は喉頭鏡と生検で確定します。5枚のうちこれらの悪性所見を示すのは①です。
画像の見方
①は片側声帯の前後にわたり、白色の付着物(角化)と発赤・血管増生を伴う表面不整な隆起性病変があり、悪性(声門癌)を最も疑います。②は左右対称で表面平滑な声帯です。③は声門上部の表面平滑な粘膜腫脹、④は両側声帯の表面平滑な紡錘状腫脹、⑤は片側声帯の表面平滑な白色調腫脹で、いずれも①のような不整な隆起・潰瘍・易出血性所見は目立ちません。②〜⑤の具体的診断名は公式に示されておらず、形態からの読影です。
各選択肢の検討
a.①。正しい。片側声帯に白色角化と発赤を伴う表面不整な隆起性病変があり、喉頭(声門)癌を考えます。確定は生検です。
b.②。誤り。声帯は左右対称で表面平滑・辺縁整で、腫瘍性病変を認めません。
c.③。誤り。声門上部の粘膜は腫脹していますが表面は平滑で、不整な腫瘤や潰瘍はみられません。
d.④。誤り。両側声帯の表面平滑な紡錘状腫脹で、喫煙などの慢性刺激による両側性のポリープ様変化を思わせる良性の像です(具体的病名は公式に示されていません)。癌を示す不整な隆起ではありません。
e.⑤。誤り。片側声帯が白色調に腫脹していますが表面は比較的平滑で、①のような発赤・不整隆起を伴う所見ではありません。ただし声帯の白色病変(白板症)は異形成や癌化の可能性があるため、持続すれば切除・組織検査で確認します。
覚えるポイント
喉頭癌の内視鏡像=片側声帯の表面不整な隆起・白色角化・発赤・潰瘍。表面平滑な対称性腫脹はポリープなど良性を考える。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第106回医師国家試験問題および正答
- MSD Manual Professional Edition: Laryngeal Cancer
- MSD Manual Professional Edition: Vocal Fold Polyps, Nodules, and Granulomas
- Alotaibi M, et al. Phonosurgical Treatment of Laryngeal Leukoplakia and Dysplasia: Results of Multidimensional Voice Diagnostics Including the VEM. Diagnostics (Basel) 2026;16:1242
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。