甘草による偽アルドステロン症|第106回医師国家試験D9

第106回医師国家試験 D9(2012年)

正答:b

問題

甘草を含む漢方薬服用中に高血圧症をきたした患者で、低下していると考えられる血清電解質はどれか。

a.Na

b.K

c.Ca

d.P

e.Mg

正答の理由

甘草の主成分グリチルリチン(とその代謝物)は腎尿細管の11β-水酸化ステロイド脱水素酵素2型(11β-HSD2)を阻害し、コルチゾールがミネラルコルチコイド受容体を刺激し続けます。その結果、Na貯留による高血圧・浮腫と、尿中へのK排泄増加による低カリウム血症、代謝性アルカローシスを呈し、レニン・アルドステロンはともに低値になります(偽アルドステロン症)。

各選択肢の検討

a.Na。誤り。Na再吸収が亢進するため血清Naは正常〜高値になります(マニュアルの症例でも145〜147 mEq/L)。

b.K。正しい。遠位尿細管・集合管からのK排泄亢進で低カリウム血症をきたし、四肢脱力(低カリウム血性ミオパチー)や不整脈の原因になります。

c.Ca。誤り。偽アルドステロン症の特徴的な電解質異常ではありません。

d.P。誤り。甘草によるミネラルコルチコイド作用で特徴的に低下する電解質ではありません。

e.Mg。誤り。偽アルドステロン症の診断の柱は低カリウム血症・代謝性アルカローシス・低レニン・低アルドステロンで、Mg低下は特徴的所見ではありません。

覚えるポイント

甘草(グリチルリチン)→11β-HSD2阻害→偽アルドステロン症:高血圧・低K・代謝性アルカローシス・レニン低値・アルドステロン低値。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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