男性不妊と薬物療法|第106回医師国家試験D5

第106回医師国家試験 D5(2012年)

正答:c

問題

薬物療法で妊孕性が改善し得るのはどれか。

a.精索静脈瘤

b.ムンプス精巣炎

c.Kallmann 症候群

d.Klinefelter 症候群

e.先天性両側精管欠損症

正答の理由

Kallmann症候群は嗅覚低下を伴う低ゴナドトロピン性性腺機能低下症(視床下部のGnRH分泌障害)で、精巣そのものは正常です。hCG(LH作用)とFSH製剤によるゴナドトロピン補充、あるいはパルス状GnRH投与で精子形成を誘導でき、多くが妊孕性を獲得します。精巣自体が障害された原発性(高ゴナドトロピン性)の疾患や、精路の閉塞・欠損は、内分泌療法では改善しません。

各選択肢の検討

a.精索静脈瘤。誤り。妊孕性改善が期待できる治療は手術(顕微鏡下低位結紮術など)や塞栓術で、抗酸化薬などの薬物療法は妊娠率改善の証拠が乏しいとされます。

b.ムンプス精巣炎。誤り。精巣炎後の精巣萎縮による造精機能障害(原発性)で、ホルモン補充では精子形成は回復しません。

c.Kallmann 症候群。正しい。続発性(低ゴナドトロピン性)性腺機能低下症であり、hCG+FSHなどのゴナドトロピン療法で多くの患者が妊孕性を得ます。テストステロン単独補充は精子形成を抑えるため挙児希望時には避けます。

d.Klinefelter 症候群。誤り。47,XXYによる精細管形成不全(原発性)で、内分泌療法では妊孕性は得られません(精巣内精子採取+顕微授精が選択肢)。

e.先天性両側精管欠損症。誤り。CFTR遺伝子変異に関連する閉塞性無精子症で、造精はあっても精路がないため薬では改善せず、精巣上体・精巣から精子を採取して顕微授精を行います。

覚えるポイント

薬(ゴナドトロピン療法)で妊孕性が戻るのは低ゴナドトロピン性(Kallmann症候群など)。原発性精巣障害・精路閉塞は薬で治らない。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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