胸部X線写真の左第3弓|第106回医師国家試験C8

第106回医師国家試験 C8(2012年)

正答:a

問題

胸部エックス線写真で左第3弓の突出がみられやすいのはどれか。

a.僧帽弁狭窄症

b.肥大型心筋症

c.陳旧性心筋梗塞

d.大動脈弁狭窄症

e.大動脈弁閉鎖不全症

正答の理由

正面胸部X線写真の左心縁は、上から第1弓(大動脈弓)、第2弓(肺動脈幹)、第3弓(左心耳)、第4弓(左心室)で構成されます。僧帽弁狭窄症では左房から左室への流入が妨げられ、左房の圧と容積が増大します。拡大した左心耳によって左第3弓が突出し、左心縁は直線化します。気管分岐角の開大や二重陰影もみられます。

各選択肢の検討

a.僧帽弁狭窄症。正しい。左房・左心耳の拡大により左第3弓が突出し、左心縁が直線化します。気管分岐角が開大し、肺高血圧があれば第2弓(肺動脈幹)も目立ちます。

b.肥大型心筋症。誤り。心室は求心性に肥大しますが拡張しないため、胸部X線写真はしばしば正常です。左房拡大がみられることはありますが、僧帽弁狭窄症ほど典型的ではありません。

c.陳旧性心筋梗塞。誤り。大きな梗塞のあとに主に左室前壁・心尖部に心室瘤ができると、胸部X線写真で心陰影の限局性の膨隆として現れます。拡大するのは左室側(左第4弓)で、左第3弓ではありません。

d.大動脈弁狭窄症。誤り。左室は求心性に肥大し、心陰影は正常かわずかな拡大にとどまります。大動脈弁の石灰化や上行大動脈の狭窄後拡張がみられることがあります。

e.大動脈弁閉鎖不全症。誤り。容量負荷で左室が拡大して左第4弓が突出し、大動脈基部の拡張も伴います。左第3弓が主体ではありません。

覚えるポイント

左第1弓=大動脈弓、第2弓=肺動脈、第3弓=左心耳(左房)、第4弓=左室。第3弓の突出は僧帽弁狭窄症。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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