鎖骨下静脈穿刺の合併症|第106回医師国家試験C3

第106回医師国家試験 C3(2012年)

正答:b

問題

右鎖骨下静脈穿刺で起こりやすい合併症はどれか。

a.肺炎

b.気胸

c.無気肺

d.胸管損傷

e.反回神経麻痺

正答の理由

鎖骨下静脈は鎖骨の裏を走り、そのすぐ背側下方に肺尖部の胸膜があります。針が深く進むと胸膜を貫いて気胸を起こしやすく、鎖骨下静脈穿刺の代表的な合併症です。ほかに動脈穿刺、圧迫止血しにくい血腫、血胸、空気塞栓、カテーテル位置異常、不整脈、感染、血栓症が挙げられます。

各選択肢の検討

a.肺炎。誤り。穿刺の手技そのものの直接の合併症ではありません。カテーテル関連の感染症は血流感染として問題になります。

b.気胸。正しい。肺尖部の胸膜が針の進路の近くにあるため、誤穿刺で起こります。鎖骨が邪魔になって圧迫などの対処もしにくく、重症化しやすい合併症です。

c.無気肺。誤り。穿刺の手技で直接起こる代表的な合併症としては挙げられていません。気胸や血胸に伴って肺が圧排され虚脱することはありますが、その場合に問題となる合併症は気胸・血胸そのものです。

d.胸管損傷。誤り(右側では起こりにくい)。胸管は左の静脈角(左内頸静脈と左鎖骨下静脈の合流部)に注ぐため、損傷や乳び胸の危険があるのは主に左側からの穿刺です。

e.反回神経麻痺。誤り。鎖骨下静脈穿刺の代表的な合併症ではありません。神経損傷は一般論として挙げられていますが、頻度の高いものではありません。

覚えるポイント

鎖骨下静脈穿刺の代表的合併症は気胸。胸管損傷は左側穿刺で問題になる。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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