第106回医師国家試験 B29(2012年)
正答:b
問題
公費医療とその根拠となる法律の組合せで正しいのはどれか。
a.医療扶助――介護保険法
b.結核医療――感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉
c.自立支援医療――高齢者の医療の確保に関する法律〈高齢者医療確保法〉
d.措置入院――生活保護法
e.養育医療――児童福祉法
正答の理由
結核患者の医療費の公費負担は、感染症法第37条の2(結核患者の医療:結核指定医療機関での医療費の100分の95を都道府県が負担できる)と、入院勧告・措置による結核入院患者の医療費を都道府県が負担する第37条(入院患者の医療)に規定されています。2007年に結核予防法が廃止され、結核対策は感染症法へ統合されました。
各選択肢の検討
a.医療扶助――介護保険法:誤り。医療扶助は生活保護法第15条に定める扶助の一つで、困窮のため最低限度の生活を維持できない者に診察・薬剤・手術・入院などを給付します。
b.結核医療――感染症法:正しい(正答)。感染症法第37条の2に結核患者の医療の公費負担が規定されています。
c.自立支援医療――高齢者医療確保法:誤り。自立支援医療(更生医療・育成医療・精神通院医療)は、障害者自立支援法(現障害者総合支援法)に基づく給付です。高齢者医療確保法は後期高齢者医療制度や特定健康診査の根拠法です。
d.措置入院――生活保護法:誤り。措置入院は精神保健福祉法第29条に基づき、2人以上の精神保健指定医が自傷他害のおそれを認めた場合に都道府県知事が行う入院で、その入院費用は同法第30条により都道府県が負担します(国が4分の3を負担)。
e.養育医療――児童福祉法:誤り。未熟児の養育医療は母子保健法第20条に規定されています(現在は市町村が給付)。児童福祉法第20条にかつて規定されていたのは障害児の「育成医療」(障害者自立支援法の施行で自立支援医療へ移行)で、未熟児の養育医療とは別の制度です。
覚えるポイント
結核医療=感染症法、医療扶助=生活保護法、自立支援医療=障害者総合支援法、措置入院=精神保健福祉法、養育医療=母子保健法。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第106回医師国家試験問題および正答
- e-Gov法令検索: 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律
- e-Gov法令検索: 生活保護法
- e-Gov法令検索: 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律
- e-Gov法令検索: 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律
- e-Gov法令検索: 母子保健法
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。