正常妊娠の超音波胎児計測値|第106回医師国家試験B21

第106回医師国家試験 B21(2012年)

正答:c

問題

正常経過における妊娠週数と超音波計測値の組合せで誤っているのはどれか。

a.妊娠6週――胎嚢2 cm

b.妊娠10週――頭殿長3 cm

c.妊娠22週――児頭大横径8 cm

d.妊娠24週――胎児推定体重500 g

e.妊娠28週――羊水ポケット4 cm

正答の理由

日本人の基準値(日本超音波医学会2003年、日本産科婦人科学会採用)では、児頭大横径(BPD)の平均は妊娠22週0日で52.6 mm(+2.0SDでも58.5 mm)です。8 cm(80 mm)に達するのは妊娠32〜33週ごろ(32週0日の平均79.6 mm)で、22週の値としては大きく外れています。ほかの組合せは正常経過の目安の範囲として出題されています。

各選択肢の検討

a.妊娠6週――胎嚢2 cm:正しい組合せとされています。妊娠初期の胎嚢は日を追って大きくなり、経腟超音波で平均胎嚢径25 mm以上なのに胎芽が見えない場合が妊娠不成功の判定基準とされます。2 cmはこの基準に達しない大きさで、妊娠6週の正常経過でみられうる値として出題されています(胎嚢径の週数別基準は測り方で差があり、ここでは一つの目安です)。

b.妊娠10週――頭殿長3 cm:正しい組合せです。日本人の基準値でCRLの50パーセンタイルは10週1日で30.3 mmであり、CRL 30 mmに対応する妊娠日数の50パーセンタイルも10週1日です。

c.妊娠22週――児頭大横径8 cm:誤っている(正答)。BPDの平均は22週0日で52.6 mm、+2.0SDでも58.5 mmです。80 mm前後は32〜33週の平均値に当たるため、22週の正常値ではありません。

d.妊娠24週――胎児推定体重500 g:組合せとしては誤りとされていません。日本人の基準値で24週0日の推定体重は平均660 g、−2.0SD 461 g〜+2.0SD 859 gです。500 gはこの±2SDの範囲内です(ただし−1.5SDの511 gをわずかに下回り、実臨床では経過観察の対象になりうる値です)。

e.妊娠28週――羊水ポケット4 cm:正しい組合せです。最大羊水ポケット(SDP)は2 cm以上8 cm未満が正常で、2 cm未満で羊水過少、8 cm以上で羊水過多を疑います。4 cmは正常範囲です。

覚えるポイント

BPDは22週で約5 cm、32週で約8 cm。CRLは10週で約3 cm、羊水ポケットは2〜8 cmが正常。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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