娩出胎盤の肉眼観察|第106回医師国家試験B14

第106回医師国家試験 B14(2012年)

正答:a

問題

娩出された胎盤の肉眼的観察が診断に重要でないのはどれか。

a.前置胎盤

b.胎盤腫瘍

c.分葉胎盤

d.癒着胎盤

e.常位胎盤早期剝離

正答の理由

前置胎盤は胎盤が子宮内のどこに付着しているか(内子宮口を覆う・近接する)という位置の異常で、妊娠中の超音波検査で診断します。娩出後の胎盤そのものを見ても付着部位はわからないため、肉眼的観察は診断に役立ちません。他の4つは胎盤の形態・欠損・付着物の観察が診断の手がかりになります。

各選択肢の検討

a.前置胎盤。正しい(これが正答)。診断は超音波検査によるもので、娩出胎盤の肉眼所見からは付着部位を判断できません。

b.胎盤腫瘍。誤り。最も多い絨毛膜血管腫(chorangioma)などは出生前超音波で見逃されることがあり、娩出胎盤の肉眼観察とそれに続く病理検査で見つかることがあります。

c.分葉胎盤。誤り。副胎盤・分葉胎盤は主胎盤から離れた葉と連絡血管をもつ形態異常で、娩出胎盤で胎盤辺縁から卵膜へ向かう途切れた血管があれば副胎盤の遺残を疑います。

d.癒着胎盤。誤り。絨毛が子宮筋層に直接付着するため胎盤が剝がれにくく、娩出胎盤の欠損(母体面の不完全さ)が子宮内遺残と弛緩出血の手がかりになります(出生前診断は超音波)。

e.常位胎盤早期剝離。誤り。剝離部の基底脱落膜に出血して胎盤後血腫を形成するため、娩出胎盤の母体面の凝血塊付着や圧痕が診断の裏付けになります(ただし組織所見と一致しない例もあります)。

覚えるポイント

娩出胎盤は「欠損(遺残)・副胎盤・腫瘍・胎盤後血腫」を見る。前置胎盤は付着部位の異常で超音波で診断する。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

第106回の一覧へ戻る

タイトルとURLをコピーしました