心臓弁の解剖|第106回医師国家試験B13

第106回医師国家試験 B13(2012年)

正答:e

問題

心臓の弁について正しいのはどれか。

a.僧帽弁は三尖で構成される。

b.大動脈弁には腱索が付着する。

c.肺動脈弁輪周囲を刺激伝導系が走行する。

d.三尖弁と肺動脈弁には線維性連続がある。

e.僧帽弁輪周囲を左冠動脈回旋枝が走行する。

正答の理由

左冠動脈回旋枝は左房室間溝を走り、僧帽弁輪(後尖の付着部側)に近接します。そのため僧帽弁形成術・置換術の弁輪縫合で回旋枝を損傷する危険があり、術中に両者の距離が評価されます。

各選択肢の検討

a.僧帽弁は三尖で構成される。誤り。僧帽弁は前尖(大動脈側)と後尖の2尖で、交連は2つです。3尖なのは三尖弁です。

b.大動脈弁には腱索が付着する。誤り。腱索は乳頭筋と房室弁(僧帽弁・三尖弁)の弁尖をつなぐ構造です。大動脈弁・肺動脈弁などの半月弁には腱索も乳頭筋もありません。

c.肺動脈弁輪周囲を刺激伝導系が走行する。誤り。房室結節はKoch三角の頂点(三尖弁中隔尖の付着部付近)にあり、His束は中心線維体・膜性中隔を貫いて走ります。刺激伝導系が近接するのは三尖弁中隔尖や大動脈弁・僧帽弁の近傍で、肺動脈弁輪ではありません。

d.三尖弁と肺動脈弁には線維性連続がある。誤り。右室では室上稜(筋性の漏斗部ひだ)が三尖弁と肺動脈弁の弁尖を隔てており、線維性連続はありません。線維性連続(mitral-aortic continuity)があるのは左室の僧帽弁前尖と大動脈弁です。

e.僧帽弁輪周囲を左冠動脈回旋枝が走行する。正しい(これが正答)。回旋枝は房室間溝で僧帽弁輪の後外側に沿って走り、弁手術での損傷が知られています。

覚えるポイント

僧帽弁は2尖で大動脈弁と線維性連続、弁輪の外を回旋枝と冠静脈洞が走り、His束は右線維三角付近。右室では室上稜が三尖弁と肺動脈弁を隔てる。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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