高カルシウム血症の原因|第106回医師国家試験B10

第106回医師国家試験 B10(2012年)

正答:a

問題

高カルシウム血症がみられないのはどれか。

a.副甲状腺機能低下症

b.成人T細胞白血病

c.サルコイドーシス

d.ビタミンD中毒

e.多発性骨髄腫

正答の理由

副甲状腺機能低下症ではPTHが不足し、骨吸収・腎でのCa再吸収・活性型ビタミンD産生が低下するため、高カルシウム血症ではなく低カルシウム血症(と高リン血症)になり、テタニーの原因となります。他の4つはいずれも高カルシウム血症の代表的原因です。

各選択肢の検討

a.副甲状腺機能低下症。正しい(これが正答)。PTH欠乏により低Ca血症・高P血症をきたします。

b.成人T細胞白血病。誤り。HTLV-1関連の成人T細胞白血病・リンパ腫では高カルシウム血症がしばしば生じ、骨への直接浸潤よりも腫瘍細胞の産生する液性因子によるとされます。

c.サルコイドーシス。誤り。肉芽腫内のマクロファージが1α-水酸化酵素を発現し、25-水酸化ビタミンDを無調節に1,25-水酸化ビタミンDへ変換するため、高Ca血症・高Ca尿症をきたします。

d.ビタミンD中毒。誤り。薬理量のビタミンDは腸管からのCa吸収と骨吸収を増やし、高Ca血症・高Ca尿症を起こします。

e.多発性骨髄腫。誤り。骨髄腫細胞が産生する破骨細胞活性化因子による溶骨性病変で高Ca血症をきたします(貧血・腎障害との同時出現が手がかり)。

覚えるポイント

高Ca血症の原因=副甲状腺機能亢進症・悪性腫瘍(PTHrP、骨髄腫、ATL)・ビタミンD過剰(中毒、肉芽腫)。副甲状腺機能低下症は低Ca血症。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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